一方、編集者・正宗(小泉孝太郎)の表情はどうも暗い。というのも、会社を経営している父・正親(中原丈雄)が正宗に跡を継がせるため、取引先の専務の娘との縁談話を勝手に進めていたのだ。まだ結婚など眼中にない正宗は、つい勢いで「真剣にお付き合いしている女性がいる」と口走ってしまい、正親からその人と会わせるよう迫られているのだった。
切羽詰った正宗が鴨田(塚地武雅)に相談すると、絵里子に恋人のフリをしてもらえばいいと言い出す。断固拒否する絵里子だったが、会食のために超一流料亭の料理人が招かれると聞き、快諾。正宗の彼女として平林家を訪れることに。
会食当日。貸衣装に身を包んだ絵里子を出迎えたのは、御殿のような立派な屋敷と、品のいい両親だった。そんなことはお構いなしに、母・光代(渡辺えり)との貧乏生活エピソードなどをあけっぴろげに話す絵里子。そんな絵里子に奇異なものを感じた正親は、秘書の黒沼(遠山俊也)を呼びつけ、絵里子について調べるよう命じる。
一方、正宗から昨日のお礼にと、東京一美味しいといわれるフレンチレストランを予約してもらった絵里子は、光代と共にそのレストランへ。だが、高級レストランに慣れていない二人は、大声でスタッフを呼んだり、白いご飯や箸を頼んだりして、マネージャーの恩田(半海一晃)に嫌な顔をされてしまう。
翌日、値段の割に美味しくなかったという不満げな絵里子に、美味しいものを食べ慣れていないからだと突っ込む鴨田。そこで絵里子は、光代が働いている居酒屋に、鴨田と正宗を連れて行く。生まれて初めての居酒屋に落ち着かない正宗だったが、出されたモツ煮の美味しさと安さに感激。光代も正宗の純粋さに触れ、絵里子をもらって欲しいと言い出して……。
さらに翌日、絵里子は梅本に新連載の企画を提案する。お高くとまった一流料理店やグルメブールを庶民の目で斬るという内容を聞いた梅本は、プレ企画を許可。張り切る絵里子だったが、夜はキャバクラのアルバイトで忙しい。
そんな中、絵里子の身辺を探っていた黒沼は、行き先も告げずに絵里子を車に乗せると、正親のもとへと連れていく。「正宗と別れてもらいたい」と切り出す正親に、絵里子は事情を説明しようとするが、正親は絵里子の話を遮り、「これできっぱり正宗のことは忘れろ」と、1000万円を差し出す。
とその瞬間、吐き気に襲われる絵里子。絵里子が正宗の子どもを妊娠しているのだと勘違いした正親は、病院に駆け付けた正宗を怒鳴りつけるが、医師に食あたりだと説明され、拍子抜けしてしまう。
すっかり回復した絵里子は、張り切ってプレ企画に取り掛かろうとするが、正宗が会社を継ぐためにしばらく休むことを知り、正親の会社へと向かう。
だが、黒沼に追い返されてしまい、正宗とは会えず仕舞い。携帯電話もつながらなくなってしまった。家出してでも自由にやればいいという絵里子に、鴨田は正宗も悩んでいるんだと答える。貧乏でもやりたいことを両親に反対されるどころか、いつも応援してもらえた自分がいかに幸せだったかを噛みしめる絵里子。
プレ企画の取材のために、先日行ったフレンチレストランを再び訪れる絵里子と鴨田。予約名が平林だったため、恩田は丁重に対応するが、偶然にも正宗と正親も来店しており、正宗にこんな連中は知り合いでもないと言われた途端、急に態度を変え、絵里子たちを隅のテーブルへと案内する。
その後も、絵里子たちを明らかに無視するだけでなく、フランス語がわかるわけがないと、オーダーミスで余っていた冷めた料理を出す始末。実はフランス語ができる鴨田のおかげでそのことに気付いた絵里子は恩田に啖呵を切る。
そのやり取りを見ていた正親は帰ると言い出し、絵里子にも「ここは一流の店だ。三流、最低辺の人間が来るところではない」と言い放つ。そんな正親に、一流と威張りくさっていても居酒屋のモツ煮の方が美味しい。自分たちは好きな仕事を胸張ってやっているんだと言い返す絵里子。
翌日。正宗は自分の正直な気持ちを正親に告げる。正親のことは尊敬しているが、自分はやはり編集の仕事を続けたい、会社は継げないという正宗を認める正親。そこに、絵里子が描いたイラストと「この記事を書くのはお前だ」というメモが届く。
絵里子のプレ企画『恨メシ屋』が掲載された最新号の発売日、恩田が営業妨害だと怒鳴りこんでくる。謝罪記事を出さないと訴えるという恩田に、梅本は「うちは三流週刊誌。三流がいくら騒ごうが、一流店はデンと構えていればいいのでは」と言い放ち、恩田を追い返してしまう。
そして、これも反響だと言い、『恨メシ屋』の連載が決定した! 大喜びの絵里子とは対照的に、少し複雑な表情の正宗。なんと彼は、絵里子に恋をしたようで……!?
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