悠里は、晶のトレーナーでもある蓮見丈治(反町隆史)や長男の洸(松坂桃李)に、その経緯を打ち明けた。丈治は、晶のことは自分がなんとかする、と悠里に申し出た。悠里は、そんな丈治に、晶の父親である明石辰也(寺島進)も一緒に連れて行ってほしい、と頼む。悠里は、宇津木という男の存在に、得体の知れない不安を感じていたからだった。
あくる日、悠里のもとに、エステ部門のスタッフ数人がやってきて、部長の相馬幸恵(賀来千香子)が過去に起こした事件について報告する。幸恵は、子どもを車の中に残したままパチンコに興じ、熱中症で死なせてしまった過去があるというのだ。客のひとりがたまたま幸恵の家の近所に住んでいたことがあり、一気にスタッフの間に噂が広まったらしい。黙って話を聞いていた悠里は、用件はわかったと答えると、仕事に戻るようスタッフに命じた。
秘書の新倉リカ(長澤まさみ)は、悠里がすぐに幸恵の件を調査しないことに疑問を抱く。すると悠里は、幸恵と出会ったときからそのことは知っていた、とリカに告げる。実は悠里は、幸恵が事件を起こした日、すでに息のない息子を抱えて激しく取り乱している彼女の姿を病院で偶然目撃していたのだ。
その夜、悠里は、プライベートバーに幸恵を呼び出す。そこで幸恵は、このままエステ部門の責任者を続けると悠里に迷惑をかける、と自ら切り出した。しかし悠里は、今夜はその話は止めよう、と返した。
その翌日、リカは、悠里の次男・廉(矢野聖人)と犬の散歩に出かける。その際、リカは、何もしないでブラブラしている廉に、ひとつのことに一生懸命打ち込んでいる男子のほうが素敵だと思う、と告げた。すると廉は、心臓に病気を抱えていることをリカに告白し、「俺、母さんに不良品だと思われたくない…」と言って泣き崩れてしまう。
宇津木に関する情報を集めていた丈治と辰也は、数人の男たちに襲われる。丈治たちは、協力して男たちを撃退すると、宇津木のプライベート用だという携帯電話の番号を聞き出す。その番号に電話をすると、宇津木は、辰也とふたりだけなら会う、と答えた。
そんな中、事件が起きた。リカは、エステ用新製品のテストに協力するため、幸恵とともに個室ルームに入った。ところが、そのベッドの中に、焼け焦げた赤ん坊の人形が隠されていたのだ。それを見た幸恵は、ガクガクと震えだし、おう吐してしまう。
リカから報告を受けた悠里は怒りに震え、全社員をロビーに集めるよう、丈治とリカに指示した。社員たちを前に、悠里は、世の中が便利になり、文明が進歩しても人間の心だけは進化しない、と切り出した。
子どもたちの世界だけでなく、大人の世界でも相変わらず行われているイジメ等の見苦しいことは、相変わらずのこと故に、何を言ってもそういう行為をする人間の本質は変わらないが、自分の周りでは絶対に許さない――悠里はそう宣言すると、幸恵と出会ったときに彼女が間違いなく自殺すると思ったこと、彼女が誰よりも自分を責めていたこと、自殺は逃避だと言って雇ったものの、それが彼女にとって本当に良かったことなのか悩んだこと等を皆に打ち明けた。そして悠里は、幸恵をこのままエステ部門の責任者として留め、不服がある者は辞表を提出するよう指示する。
同じころ、洸と廉は、祖父・惣一(夏八木勲)のもとを訪れていた。惣一から、晶も含め、3人で来るよう命じられたのだ。洸は、連絡が取れなかった晶のことを、カゼをこじらせた、と嘘をついてその場を取り繕った。そこで惣一は、修一(水上剣星)の死に関する怪文書が届いた、と洸たちに告げた。修一の死は、事故ではなく自殺だというのだ。しかし、それは事実で、惣一のもとには修一が書いた遺書があるのだという。洸と廉は、大きなショックを受けていた。
その夜、悠里のもとを訪れた幸恵は、辞表を提出する。有能なエステティシャンであるスタッフをつなぎとめておくには、彼女たちの意見を多く取り入れる必要がある、と幸恵は言うのだ。幸恵の決心が固いことを知った悠里は、涙をこらえながら辞表を受理し…。
あくる日、辰也は、喫茶店で宇津木と会った。そこで宇津木は、晶に手を出していない、と辰也に告げると、それには理由がある、と続けた。辰也は、宇津木の言葉を気にも留めず、晶がいるというマンションの鍵を受け取って立ちあがった。宇津木は、そんな辰也を呼び止め、晶とは血のつながりが近すぎる、と言い出す。「僕の父親は、早乙女修一です。自殺した…」。宇津木は、辰也にそう告げ…。
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