オイルマッサージを受け、大満足の絵里子は、エステサロンのパンフレットで思わぬ人物の写真を見つける。その人物とは、絵里子が高知にいたころ兄のように慕っていた幼なじみの浜岡正志(福士誠治)だった。実は浜岡こそがエステサロンの社長だったのだ! 予期せぬ再会に胸が躍り、浜岡との会話に花を咲かせた絵里子は、浜岡のためにいい記事にしようと張り切る。
ところが、絵里子が描いた潜入取材のイラストを見た梅本は、「つまんねぇよ」と一蹴。絵里子には何がいけないのかさっぱり分からないが、梅本は何が悪いのか教えてくれない。さらに、梅本が放った「人と同じことをやってたって、ゴールなんかずっと先だぞ」という言葉が、絵里子の胸に突き刺さる。このまま大学で勉強することに意味があるのだろうか……そう思い悩む絵里子に、渇を入れる母の光代(渡辺えり)。
後日、絵里子は浜岡に自分のイラストがボツになったことを伝えに行くが、浜岡は怒るどころか、逆に絵里子を慰める。ところが次の瞬間、かかってきた電話に応対した浜岡の顔色が変わった。どうやら仕事上のトラブルがあったようで、いつもの浜岡とは違い、語気も荒い。
しかし、そんな浜岡の“社長としての顔”がまぶしく映った絵里子は、隣人の鴨田(塚地武雅)に浜岡のことを自慢する。得意げに、電話に応対していた浜岡の様子を話す絵里子。しかし、浜岡が口にした「出し子」という一言が気にかかった鴨田は、エステではなく社長本人を追ってみたらどうかと提案する。
早速、正宗を連れて、浜岡の行動をこっそりと追跡し始めた絵里子。どんなセレブな生活を送っているのかと思いきや、浜岡は古いマンションの一室に入り浸ったり、喫茶店で男と会って封筒を受け取ったり、銀行のATMの前で男から封筒を受け取り、その男に数万円を渡したり……と変な行動ばかり。
そこで、絵里子は浜岡に直接もう一度取材をしたいと申し出る。浜岡のプライベートを追いかけたいという絵里子の申し出に、戸惑いの表情を見せる浜岡。さらに、絵里子がこっそり後をつけていたことを知った浜岡は、別人のように怒り出し、恩返しをしたいという絵里子を「うっとうしいんだよ」と切り捨てる。
浜岡に怒られ、意気消沈する絵里子に、「怒るのは当然だろ。ヤバい商売やってるんだからな」と冷静に言い放つ鴨田。浜岡がやっているのは、典型的なオレオレ詐欺だと言うのだ。だが、絵里子は浜岡がそんなことをするはずがないと反論。自分が無実を証明すると言い出し、隠しカメラを仕込んだ鞄を手に、鴨田がアジトだと睨んだマンションの部屋へと向かう。
すると……そこはまさにオレオレ詐欺のアジトだった。数人の男たちが携帯電話で金を振り込ませる電話をかけていたのだ。奥の部屋では、浜岡が金を数えながら携帯で話していた。絵里子は机の上に置かれたお札や通帳を払い落すと、「何でこんなことするんだよ!」と浜岡に喰ってかかる。だが、浜岡は「金にキレイに汚いもない」と悪びれず、絵里子は思わずそんな浜岡の頬を打つ。それでも、「エステサロンを開こうとしたとき、中卒の自分に銀行はどこも金を貸してはくれなかった。こんなことでもしないと、金なんて稼げない」そう開き直る浜岡に、絵里子は「何でもかんでも貧乏のせいにするな」と一喝。
しかし、周囲の男たちに取り囲まれてしまう。そこに、一部始終を隠しカメラで見ていた鴨田と正宗が飛び込んで来た。一触即発の雰囲気になるが、浜岡は男たちを制し、絵里子たちは部屋を出て行くのだった。
落ち込みながらも、必死に絵を描く絵里子。一方、鴨田は絵里子が浜岡のアジトに乗り込んで行ったときの取材テープを光代に聞かせる。そこには、絵里子の“みんなを笑わせる、元気づける絵で稼ぎたい”という思いが語られていた……。
絵里子は無事、突撃潜入取材のイラストを描き上げ、採用される。その夜、美大を辞めたいと光代に切り出す絵里子。光代は「勝手にしな」と答え、絵里子は晴れて、イラストレーターに専念することに。『週刊秘宝』の編集部には、絵里子宛のファンレターも届いた。どこか見覚えのある文字……それは、光代が書いたものだった。
突撃潜入取材のギャラを手にご機嫌な絵里子の前に、またもや亡き父・正造(陣内孝則)の従兄弟・氷室(田中要次)が現れる。絵里子から奪った5万円で購入した幼虫が全滅してしまったというのだ。激怒する絵里子だったが、そこに強面の男が現れ、氷室のことで話があると言い出して……!?
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