奇跡的(?)にも東京の美大に合格し、何とか工面して入学金も払った矢先、またしても大きな不幸が絵里子を襲う。生活苦で追い詰められた正造が、自分と母・光代(渡辺えり)を車に乗せ、金を出せと迫ってきたのだ! だが、運が悪いことに、車からガソリンが漏れ始め、そのまま車は爆発。逃げ遅れた正造だけが死亡してしまう。
しかも、遺された絵里子と光代は、正造に何かと貸しがあるという近所の人間たちに、金目のものをすべて奪われてしまった。現実を目の当たりにし、美大を諦めようとする絵里子。すると、光代が「この金で東京に行きな」と隠していた100万円を差し出す。こうして絵里子は、夢と希望を胸に上京し、美大に入学する。
ところが、貧乏な絵里子は画材すらロクに買えず、教授の酒巻(升毅)からも絵を評価してもらえない。何とかして金を稼がなければ!と決意した絵里子は、キャバクラでホステスのアルバイトを始めることに。しかし、そこでも常連客の塩川(西岡コ馬)やbPホステスの葉子(佐藤江梨子)から、ガサツで暑苦しい変わった子、という冷ややかな目で見られてしまう。
そんなある日、絵里子は酒巻から男性雑誌『週刊秘宝』を突きつけられ、厳重注意を受ける。そこには「獣になった私たち」という下世話な見出しとともに、絵里子の顔写真が! それは街で男に頼まれ、1000円の謝礼と引き換えに撮られた写真だった。ただ「モデル」としか聞いていなかった絵里子は、憤慨しながら帰宅する。すると、目の前に件の男が現れた! なんと男は絵里子が住むオンボロアパートの隣人・鴨田丈一(塚地武雅)だったのだ。
そんな中、絵里子は酒巻から課題を3日以内に再提出するよう求められる。条件は、新しい絵の具とキャンバスを使って描くこと。だが、絵里子に新しい画材を買う余裕はない。その矢先、アルバイト先のキャバクラで、常連客の塩川が「激辛スパイス入りのトマトジュースを飲み干したら5万円をやる」と言い出した。ホステスたちが引く中、名乗りを挙げる絵里子。しかし、半分飲んだところで吐き出してしまい、こともあろうに塩川のスーツを汚してしまう。落ち込む絵里子に、「金のない人間が、夢なんて追いかけたってしょうがない」と言い放つ塩川。その様子を横で見ていた葉子は、絵里子を呼び出すと「世の中、夢を諦めた人間の方がずっと多いんだ」と冷たく説教するのだった。
酒巻にも期限を守れと言われ、途方に暮れる絵里子のもとに、母の光代から、父・正造の49日に帰省するための交通費が届いた。実家に戻ったものの、どこか元気のない絵里子に、光代は正造がこっそりしまっていた幼い頃の絵里子が描いた絵を差し出す。正造が信じていた絵里子の夢を諦めてしまっていいのか、本当に手を尽くしたのか、金持ちと世界が違うのなら、金持ちの理屈はおまえには通用するはずはない……そんな光代の厳しくも温かい言葉に、再び立ちあがる絵里子。
東京へと戻り、アルバイト先のキャバクラへ向かった絵里子は、塩川にもう一度激辛ドリンクにチャレンジさせて欲しいと頭を下げる。塩川は、人生がかかっているという絵里子を鼻で笑いながらも、激辛スパイスを倍入れる代わりに、金を10万出すと提案。すると、塩川や周りの予想に反し、絵里子は激辛ドリンクを見事に飲み干した!
そんなこんなで、どうにか10万円を手に入れた絵里子は、早速提出課題用の絵の具とキャンバスを買い、酒巻に提出。キャバクラでの一件を、実は店の中でこっそり見ていた酒巻は、今回だけという条件で課題を受け取る。
帰り道、いつもなら躊躇する250円ののり弁も買って、ご機嫌の絵里子。ところが、それも束の間、正造の従兄弟である氷室(田中要次)が現れ、絵里子の手から残りの5万円を奪い取ってしまった! 氷室はその昔、正造の会社から金を持ち逃げしたろくでなしなのだ。5万円を取り返そうと、必死で氷室を追いかける絵里子で……。
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