白石恵(新垣結衣)は、父の博文(中原丈雄)と患者の治療にあたり始める。2人は、残骸で初老の男性を手当て。傍らには、娘の三咲(山田キヌヲ)が心配そうに付き添っていた。
緋山美帆子(戸田恵梨香)は、症状が良く分からない子供、翔太(清水優哉)を診ていたが、見る間に危険な状態に陥っていく。母親の知子(中村綾)に促された緋山は、橘啓輔(椎名桔平)に援助を仰いだ。しかし、橘も自分の現場を離れることが出来ない。状況を聞いた橘は、開胸しての処置を急ぐよう伝えるのだが、緋山は躊躇してしまう。
藤川一男(浅利陽介)は、知り合いの救急隊員で、二次災害に遭った細井(永岡佑)を診ていた。自分の不甲斐なさを嘆く細井は、自分を後回しにして他の患者を診て欲しいと藤川に訴える。細川から離れた藤川は、骨盤骨折で右足の血流を失った患者を診ることに…。
病院で田所良昭(児玉清)の手術をしていた西条章(杉本哲太)は、なんと撤退を宣言。だが、それは処置時間を持たせるための手続きにすぎなかった。西条は、慎重かつ緻密に田所を治療。その手術も、無事に終わろうとしていた。見守っていた黒田脩二(柳葉敏郎)も安堵する。その黒田が看護士に呼び出された。それは、次々に運ばれてくる患者を手当てする森本忠士(勝村政信)の要請。黒田は、無線で藤川に処置方法を指示。藤川は、患者の足を切断せずに搬送することに成功する。
緋山は、知子に何週間もオペから離れていたことを告げ、手術が出来ないと正直に謝る。すると、周囲の医師不足の状況を見た知子は、それでも翔太を助けられるのは緋山だけだと懇願する。その言葉に、緋山は開胸を決意。応急手術を成功させた。
勇樹を診ていた藍沢は、足の切断が必要だと判断。勇樹に伝えるのだが、彼は治療を拒否。すると、藍沢は冴島はるか(比嘉愛未)に勇樹の父親、北村を連れてくるよう頼む。冴島は、まだ息子を見捨てたと嘆き続ける北村を説得して現場に戻る。そこでも、躊躇する北村を今度は藍沢が治療を続けながら説得。ついに、北村は息子に声をかけ、励ましだした。藍沢は、勇樹の足の切断に成功して、残骸から助け出す。
白石と博文は、診ていた男性の容態が急変。博文は、心破裂を指摘。白石は博文の診断を疑いながらも開胸すると、指摘どおりだった。博文の所見に感心しながら、すぐさま処置に入る白石。博文は、処置を手伝いながら白石の成長を感じていた。
墜落現場での乗客の救出は一段落しようとしていた。藤川は、細井を診ながら病院に戻ろうとしていた。だが、病院まで後わずかというところで、細井が大量出血。その命を散らしてしまう。
事故から数日が経過。フェローの終了認定の日が来た。藍沢、白石、藤川はフライトドクターに認定された。1人認定されなかった緋山を、直美(吉田羊)が訪ねて来た。自分のせいでフライトドクターに認定されなかったと直美は緋山に詫びる。緋山は否定も肯定もしなかった。ただ、もう一度会いに来てくれたと、緋山は直美に感謝した。また、緋山は意識を取り戻した田所に、遠回りするのは自分と一緒だと告げられる。
墜落現場で、骨折していたにも関わらず白石と患者の救助にあたっていた博文が退院することになった。白石は、去っていく背に、お父さんみたいな医者になると告げた。博文は、そんな娘に、ただがんばれと言い残して去って行った。
その日の午後、藍沢は祖母の絹江(島かおり)と母の墓参りに出かける。途中、生い立ちに嘘をつき続けてきたことを詫びる絹江。すると、藍沢は絹江の嘘も、育て方も、全て自分の力になったと逆に感謝する。2人が墓前に着くと先客がいた。それは、藍沢の父、誠次(リリー・フランキー)。フライトドクターになったことを亡き母に報告した藍沢は、誠次と真正面から向き合う。そして、いつも命日を外して墓参りしていた誠次に、来年は命日に来て欲しいと告げた。
翔北の春。森本は、轟木聖子(遊井亮子)とよりを戻し、橘と三井環奈(りょう)の関係も修復しつつある。そして…。白石、藤川はフライトドクターとして勤務。緋山も、やり直しの一年を翔北救命救急センターで始めていた。フライトナースの冴島は、そんな彼らとのフライトを続けている。藍沢は…。藍沢は翔北脳外科、西条の下で働いていた。将来は、心臓外科も経験してから救命に戻るつもりらしい。
そんな翔北に、救命の要請が入る。消えようとする命に、再び未来を…炎をともすために、ドクターヘリは今日も飛び立って行く…。
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