それでも心が揺れる美樹は、仲原翔太(要 潤)に会社を辞めようと思っていると打ち明ける。ところが、社内での美樹の状況を知らない仲原は、誰にでも悩みはあるしみんな迷いながら仕事を続けているんだから、と美樹を叱咤激励。美樹は、頑張るしかない、と力なく自分に言い聞かせる。
翌朝、出社した美樹と立花万里香(杏)は、会社の前に多数のマスコミがいることに驚く。遺伝子組み換え大豆混入について、社長と坂東(中原丈雄)が謝罪会見を行っていたのだ。会見を見ていた仲原は、この件は上司・安西(升 毅)が社長らを失脚させるために仕組んだもので自分は知らなかったが、それでもそこに加担したという事実に胸を痛めていた。
その後、海外食品本部にも問い合わせが殺到し、社員たちは対応に追われる。そんななか、美樹の対応のまずさから、美樹、栗田琴美(紺野まひる)、白石杏子(有坂来瞳)、西島賢治(五十嵐隼士)がクライアントの倉庫まで出向き大豆をチェックすることに。しかし、琴美らは作業の途中で美樹を残して帰ってしまう。
その頃、昼休みでひとりオフィスにいた万里香は、「万里香ちゃんへ」という不審なメールを受け取る。メールを開封し書かれてあったURLへ接続すると、そこには工藤早苗(町田マリー)の財布を美樹のカバンに入れる万里香の姿が映っていた。驚いた万里香は、すぐに設置されたカメラを見つけると、カメラの向こうで監視をする誰かに話しかける。それは、田沢佳人(長谷川純)だった。
さらに翌日、美樹はひとりで再び倉庫へ行き黙々とチェックをしていた。するとそこへ、謝罪のためにクライアントを回っていた坂東がやってくる。ひとりで頑張る美樹を見た坂東は、何も言わず手伝いを買って出る。気付けば夜になっていて空腹を感じたふたりは居酒屋へ。食事をしながら、坂東は人生の先輩として美樹にアドバイスをし、美樹も心が少し軽くなるのを感じた。そんなところへ、桐野征治(藤木直人)がやってくる。桐野は坂東に、遺伝子組み換え大豆は故意に混ぜられたものであり、坂東が復帰できるように自分がなんとかすると約束するが、坂東は真実を公表したところで会社の信用を無くすだけだから、今回の件は自分が「持って行く」と笑顔を見せて答える。
翌朝、駅の新聞スタンドで新聞を見た美樹は、「葵井商事統括本部長が自殺」という衝撃の見出しを目にする。それは、あろうことか坂東の死亡を伝える記事だった。遺書には、今回の件はすべて自分の責任だと書かれていたという。
美樹は悲しみをこらえながら、再びクライアントの倉庫へ行き作業をはじめる。そんなとき、美樹の携帯に仲原から着信があったが、作業している美樹は気づかない。坂東の死を知り自身の責任を痛感する仲原は、いてもたってもいられずに酒を浴びるように飲む
その後、泥酔した仲原が自宅付近まで戻ると、突然、後ろから誰かに抱きしめられる。朦朧とした意識のなかで、美樹だと思った仲原は「きゅうちゃん」と呼ぶが、それは万里香だった。
一方、作業を終えた美樹は着信を見て仲原に電話をするが留守番電話に切り替わってしまう。なんとなく心配に思った美樹は、仲原のマンションへ行き合鍵で部屋に入る。そして、寝室で眠っている仲原を見つける。そのとき、ふいに気配を感じ振り返ると、バスタオルを体に巻いた万里香が立っていた。あまりの衝撃に「どうして?」と言うことしかできない美樹に、万里香は「ごめんね、美樹」と薄ら笑いを浮かべて答える。部屋を飛び出した美樹は、訳もわからないまま走り続け会社の屋上にたどり着く。自分には何もないんだ、と絶望した美樹は降りしきる雨のなか、屋上の端に立ち…。
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