それから半年後の昭和45年12月、イランで石油鉱区が売りに出されるという情報をつかんだ石油部長の兵頭信一良(竹野内豊)は、石油開発を手がけたいと壹岐に直訴する。今回、売りに出される鉱区は、兵頭が以前から目をつけ、情報収集を続けていたサルベスタン鉱区である可能性もあるという。石油開発にすべてを賭けようとしている兵頭の強い決意を知った壹岐は、ただちにイランに向かうよう指示した。
大門を訪ねた壹岐は、さっそく石油開発の件を切り出した。石油開発にかかる費用はおよそ200億円。石油が出れば1000億円以上の利益が見込まれていた。開発費用は、日本石油公社から最大で50パーセント支援してもらうことができるという。開発に失敗した場合でもその返済は免除されるというものの、石油が出なければ100億円もの費用が無駄になる。大門は、その場での決断を避けた。
一方、兵頭は、近畿商事テヘラン事務所を拠点にして情報収集を開始する。だが、売りに出されるのがどこの鉱区なのか、つかむことができなかった。焦りを隠せない兵頭は、イラン石油公社の筆頭理事に会うために、以前から何度か接触してきていた正体不明のブローカーとコンタクトを取る。しかし、兵頭のミスから、その計画は失敗に終わってしまう。
そんななか、壹岐は、第三次中東戦争の際にも協力を仰いだ国際ロビイストの竹中莞爾(清水紘冶)の事務所を訪ねる。そこで壹岐は、リビアの元石油大臣で、現在は石油コンサルタントをしているハバシュという人物が今回イランで売り出される鉱区を知っているとの情報を得る。壹岐は、兵頭に連絡し、ハバシュが滞在しているパリに向かうよう命じた。
パリに到着した兵頭は、ハバシュと会う約束を取り付け、滞在先のホテルを訪れる。しかしハバシュは、多忙を理由に兵頭と会おうとはしなかった。そんな兵頭の前に、黄紅子(天海祐希)が現れる。
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