ビルのオーナー・高石(きたろう)が、モデルのイメージにピッタリだと探していた女性が、偶然にも鳴海だったのだ。
さらに高石は、鳴海の説得に成功すれば次のビル建設の仕事も健一郎の会社に任せると言い出す。これが実現すれば、30億円規模のプロジェクトとなる大仕事だ。
ぜひものにしたいと必死になる健一郎を弄ぶように、返事を引き延ばす鳴海。
健一郎は「30億の仕事があの女の気まぐれにかかってるなんて悪夢」と頭を抱える。
その夜、さっそく鳴海から連絡があり、食事をおごれと要求。
佳乃(貫地谷しほり)が勤める雑貨店「アーニャ」のパーティに顔を出す約束をしていた健一郎だが、出席を渋々断念し、鳴海を中華料理店に招待する。
ゆきえ(佐々木希)を連れて店に現れた鳴海は、「偉そうにしているわりに自分が見えてない」などと健一郎に言いたい放題。こみ上げる怒りを抑えながら鳴海の暴言に付き合った健一郎は、ようやくモデルになることを承諾させ、日曜日に予定されている広告の撮影に必ず参加するよう約束を取り付ける。
同じ頃、アーニャのパーティに出席していた熊沢(田中圭)は、健一郎が来ないと知った佳乃の寂しげな様子を見て複雑な心境に。
翌日、会社で健一郎を捕まえ、佳乃が好きなのは健一郎だと告げるが、当の本人はうろたえるばかり。
業を煮やした熊沢は、鳴海の撮影に立ち会う日曜日に、佳乃とデートするよう健一郎に約束させる。
そして日曜日。
佳乃と二人きりで出かけた健一郎だが、撮影が気になってデートに集中できない。
そんな折、熊沢から入った知らせは、鳴海が撮影を前に逃亡したというものだった。
夜、典夫(渡部篤郎)のバーに現れた鳴海を詰問する健一郎だったが、返事をはぐらかされ、腹の虫が治まらない。
翌日、会社を訪ねてきたゆきえが、鳴海が逃げた理由を明かした。
鳴海は幼いころに母を亡くし、のちに父が他界してからは父の再婚相手だった義理の母と暮らしていたが、親子の折り合いは悪かったという。
そして5年前、鳴海は母親から金を盗んで家出。
広告に写真が出れば、母親に見つかって警察に突き出されるかもしれないと逃げ出したらしい。
親子が5年も絶縁状態だと聞いた健一郎は、ゆきえの言葉をヒントに、母親探しを開始。
可能性のある勤務先1件1件に電話をかけて問い合わせをし、ようやく居場所を突き止める。
「金を盗ったことを謝って仲直りしろ」と鳴海を母親に会わせようとするが、自分をお荷物扱いしたと母親を恨んでいる鳴海は拒絶。
健一郎は一人で勤め先を訪ねるが、母親はすでに亡くなっていた。
預かった遺品を鳴海に渡す健一郎。
平静を装う鳴海だがショックは隠しきれない。
言葉を失う健一郎を、「余計なお節介なのよ!死んじゃったら文句も言えないじゃない」と追い返した鳴海は、母親の遺品にあった自分の写真を見つけて号泣する。
数日後、ほかのモデルを立てて行われていた再撮影の現場に鳴海が現れた。
鳴海をモデルに撮影が進む中、いたずらっぽい笑みを浮かべた鳴海は健一郎を手招き。
「もうひとつお願いがある」と告げる。その意味深な言葉に健一郎は不安を覚え…。
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