ある夜、健一郎は同僚の熊沢志郎(田中圭)と取引先のパーティに出席しようと会場へ。熊沢はパーティの後に控えた町田佳乃(貫地谷しほり)との飲み会が気になってソワソワと落ち着かない。佳乃に思いを寄せる熊沢は、彼女の友だちである健一郎に飲み会のセッティングと恋のアシストを頼んでいたのだ。
ところが、パーティ会場では健一郎が落とした招待状を拾った女が勝手に代理を名乗り、パーティに潜り込んでいた。健一郎は、旺盛な食欲で会場の料理にパクついていたその女・栗田鳴海(深田恭子)を捕まえて問い詰めるが、鳴海は悪びれる様子もない。
やがて、腹が痛いと苦しみ出した鳴海を慌てて病院に担ぎ込むも、結果はただの食べ過ぎ。所持金が300円しかなく診察代が払えないと言う鳴海に、健一郎は「反省して真面目に生きろ」と5000円を渡して立ち去った。
翌日、鳴海が健一郎を訪ねて会社にやって来た。招待状の宛名から居所を突き止めたらしい。あ然とする健一郎に、鳴海はあと5000円貸して欲しいと言い出す。「金を貸す義理などない」と断る健一郎だが、「義理はなくても人情はあるでしょ?」と妙な理屈を並べる鳴海のペースに乗せられ、つい5000円を渡してしまうはめに。そればかりか、仕事を紹介する約束までさせられてしまう。
同じ頃、佳乃に会っていた熊沢は、佳乃が健一郎に恋心を抱いているのを察して複雑な心境に。鳴海に振り回される健一郎に「他の女にかまってていいのか?」と詰め寄るが、当の健一郎は佳乃の気持ちにまったく気づいておらず、熊沢をヤキモキさせる。
後日、健一郎は新しいプロジェクトで仕事を頼んだ有名インテリアデザイナー・山口達彦(津田寛治)のアシスタントに欠員があると聞き、鳴海を紹介。不安を覚えつつも、山口に鳴海を預ける。だがまもなく、健一郎をがく然とさせる知らせが飛び込んできた。鳴海が山口から金を盗もうとし、警察に突き出されたというのだ。
裏切られた思いに駆られる健一郎。山口は訴えを取り下げ、事件をなかったことにして仕事を続けたいと連絡してきたが、鳴海に対する健一郎の怒りは治まらない。一方、元彼の矢部典夫(渡部篤郎)に身元引受人を頼んで釈放された鳴海は、よりを戻したいとほのめかす典夫をさえぎり、金を返したい人がいると1万円を借りる。
明くる日、鳴海が1万円を返しに健一郎の会社に現れた。健一郎は金を突き返し、見損なったと責めるが、鳴海は「いつでも自分が正しいと思ってんの?」と取り合わない。ぶ然とする健一郎に、一緒にいた鳴海の友人・萱島ゆきえ(佐々木希)が事件の真相を話す。山口が鳴海を襲おうとし、突き飛ばされたことを逆恨みして盗難をでっち上げたというのだ。
事務所に向かった健一郎が真実を問いただすと、山口は鳴海を陥れたことを認めたが、「あんな女のために仕事を台無しにするのか?」と開き直って反省の色もない。その態度が許せない健一郎は「あなたと仕事は出来ない」とたんかを切って席を立つが、山口の怒りを買ってプロジェクトから外され、本社の開発営業部から現場作業の仕事に飛ばされてしまう。
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