その日、救命センターにフライトドクター、橘啓輔(椎名桔平)が赴任してくる。しかし、フェローたちは挨拶する暇もない。藍沢はヘリで飛び、さらに三井環奈(りょう)は救急車で搬送中の2名の患者を受け入れた。ヘリの患者と最初の救急車の患者を藍沢たちが初療していると、見知らぬ医師が入ってきて的確な指示を出す。処置が一段落すると男は、藍沢たちの腕前を試すために来た橘だと名乗った。
そこに、もう一台の救急車が到着。患者を見た藍沢は驚く。祖母の絹江(島かおり)だった。絹江は、急性肺炎のために入院が必要となった。
藤川は、クリスマスを一緒に過ごそうと冴島はるか(比嘉愛未)を誘うがかわされる。冴島には難病と戦う恋人、田沢悟史(平山浩行)がいた。藤川にあきれる緋山は胸痛を覚える。緋山の状態に白石が気づく。だが、緋山は白石の忠告を受け入れない。悟史と会った冴島は、ある決意を知らされる。
そんな時、ドクターヘリ要請が入った。オートバイの男性と自転車の主婦が衝突。藍沢は冴島、橘と現場に急行。容態の重い主婦をヘリで搬送することに。ヘリが飛びたとうとした時、藍沢が川面に何かを見つける。子供の靴だ。そう言えば、事故現場にも…。どうやら、主婦の子供が衝突で飛ばされたようだ。藍沢は子供を川から助け出すが、すでに心配停止状態。救急車で蘇生処置を施すが、子供の体温は戻らない。主婦を搬送したヘリは、タッチ&ゴーで引き返し、藍沢たちを乗せた救急車とのランデブーポイントへ。子供をヘリに乗せ換えて、翔北へ急ぐ。
病院では、白石たちフェローが万全の準備をして子供を受け入れた。だが、子供の体温は戻らない。藍沢は、子供を開胸して直接温かいバスタブに入れて蘇生するという方法を選択。何とか心音を回復させることに成功。だが、子供の瞳孔は開いたまま。心配停止が長すぎ、脳内に酸素が行き渡らなかった。
緋山と白石は、母親に子供の状態を告げる。蘇生後脳症…つまり、植物状態になってしまったのだ。放心状態の藍沢に、橘が声をかける。橘は、藍沢たちの蘇生を止めなかったのだが、平然と結果は分かっていたと言う。さらに、子供の低体温からの蘇生は滅多に出来ないとまで…。藍沢は、この結末が子供とその家族にとって良かったのかと問うが、橘は首を横にふる。そして、医者は患者の人生まで引き受けたら頭がおかしくなると言って去った。
その橘に、緋山も諦めたくないと食い下がる。すると橘は、救急医を続けたいなら、諦めたり割り切ったりすることも覚えろと答えた。
イヴの夜。白石は冴島と2人で、子供のベッドを母親の隣へ運ぶ。
次の日、緋山は橘に小児治療が充実した病院へ昨日の子供を搬送したいと申し出る。皮肉な言葉を吐かれながらも橘に許可され、緋山は子供をヘリ転送。その途中、子供の目が開いた。まだ、わずかな希望が残っていそうだ。藍沢と白石は、子供の母親にそれを伝える。
その頃、冴島は悟史に会い、昨日の決意を質す。悟史は、延命措置を望まないことを告げるDNRにサインをしていたのだ。悟史は最期まで自分らしくありたく、残りの人生を冴島に会うために使いたいと言う。今日、生きていること、冴島に会えることが自分にとっての奇跡だと告げる悟史。冴島はいつまでも悟史を抱きしめた。
藍沢は、絹江の様子を見に行く。病室を出て歩いていると、ある男とすれ違うのだが藍沢は気づかずに…。
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