壹岐らとともにデトロイトのフォーク社を訪れた里井は、フォーク会長(アレキサンダー・バリ)との会談を行った。その席でフォーク会長は、新たな合弁会社を作るという里井の提案に強い興味を示し、千代田自動車の経営状況を調べた上で検討する、と答える。
里井は、さっそく社長の大門一三(原田芳雄)に連絡をとり、来月フォーク社が日本に覆面調査団を派遣するところまでこぎつけたことを報告する。里井は、調査団の受け入れ準備も自らが主導するつもりでいた。そんな里井に、壹岐は、千代田自動車がフォーク社と合弁会社を作るプランに納得するとは思えない、と進言した。仮に50対50の対等出資で合弁会社をスタートさせても、あっという間にフォーク社に飲み込まれてしまう危険性があるからだった。
一方、フォーク社にしても、千代田自動車の経営状況が予想以上に悪化していることを知ったらこの話から手を引く可能性が高かった。しかし里井は、壹岐の言葉をさえぎると、自分の案が通らなかったからといって水を差すのは止めろと言い放つ。と、そのとき、突然、里井が苦しそうに胸を押さえて倒れこんだ。壹岐や角田は、救急車を呼んで里井を病院に運んだ。狭心症の発作だった。
里井は、検査を担当した医師から、心筋梗塞に移行する恐れもあることから、今後は海外出張などを控え、副社長のポストからも退くようアドバイスされる。しかし里井は、フォーク社側調査団の来日が控えているのにのんびりしているわけにはいかない、と強引に退院しようとした。そこで壹岐は、来日を延期するようフォーク社側と交渉する、と里井に告げるが…。
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