――そして北は援助交際が絡んだ608号法廷の「児童買春、児童ポルノに係わる行為等の処罰及び児童の保護に関する法律違反」を傍聴する。被告人は鶴見康志(42)。まず被害者のミカ(16)はパソコン上の中高生が集まるコミュニティサイトで、同い年のマキと知り合った。ミカはマキから「金持ちのおじさんとエッチなことをするバイトがある」と誘われ「二人で一緒にやるなら安心だ」と承諾する。しかしミカが待ち合わせ場所に行くとマキから「急用で行けなくなった」とのメールが。そこに被告人・鶴見が現れ、ミカはしかたなくラブホテルに向かったという。
北は援交を斡旋したマキも問題だと憤慨するが、検察官・星川の追求から思いがけないことが明らかになる。なんと鶴見は「藤井マキ」の名でコミュニティサイトに登録し、女子高生のふりをして自作自演で少女をおびき出し援交をしていたのだ。鶴見には高校生の娘・真里菜がおり、娘からそのサイトを教わり犯行を思いついたという。しかも鶴見はミキとのセックスを隠し撮りしたうえ、約束の代金5万円を払わずに逃げていた。
卑怯な手口に唖然とする北。鶴見は同様の手口でほかにも3件の余罪があった。だが鶴見は逮捕される4ヶ月前に援助交際をやめ、撮影したビデオもすべて処分したという。この手の犯罪は再犯率が高いと山野や美和はひややかだが、北は鶴見が本当に反省しているように見えた。きっぱりと援交をやめるきっかけがあったのかもしれない――そしてその後、北の想像を超える衝撃の事実が明らかになった!
さらに北は法廷にいた鶴見の妻・由貴に「人の不幸を見るのがそんなに楽しいのか」と詰め寄られ、たじろいでしまう。自分は何のために傍聴をしているのか?――悩んだ北は傍聴をやめることを決心し、山野や美和ともケンカ別れしてしまう。そんな北のもとに一通の封書が届く。なんとそれは「裁判員裁判呼出状」だった――!
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