2009年12月10日

その男、副署長 シーズン3 File10(最終回)

「14年ぶりに帰ってきた殺人者は、なぜ自分の指紋が付いた婚約指輪を新聞社に送りつけてきたのか?」

我が河原町署管内で、包丁で胸を刺されたOL・藤倉美奈子さん(竹中里美)の死体が発見されました。彼女は突き刺さった包丁を握り締めたまま絶命。その指からは、はめていたはずの婚約指輪が抜き取られていました。現場に急行した野沢刑事課長(石丸謙二郎)は彼女の遺体を見て、かつてどこかで同じような死体に出会ったことがあると感じたようです。この事件を受けて、藤倉家には報道陣が殺到しました。その中には、『週刊タイムス』の記者・島(的場浩司)や大手新聞の水口記者(筒井巧)の顔もありました。そして、島もまた取材中、昔起こった事件を思い出していたようであります。

 やがて、野沢刑事課長はハッキリと思い出されました。あれは14年前。婚約者にフラれた苅部(金山一彦)という男が、ただ婚約指輪を友達に見せていたという理由だけで、面識のない女性・沢恵さん(草壁晶子)を刺殺。沢恵さんもまた婚約指輪を奪い取られ、包丁を握り締めたまま死んでいたのです。その後、苅部は15年の実刑判決を受けて服役していました。ところが、3カ月前に仮釈放。藤原署長(萬田久子)と野沢刑事課長は苅部を第一容疑者として、行方を追及することになさいました。しかし、池永副署長(船越英一郎)は苅部を容疑者にすることに懐疑的なご様子で…。

 そんな中、我が河原町署に捜査本部が設置され、黛捜査一課長(宅麻伸)を筆頭に京都府警の捜査員たちがやって来られました。すると黛捜査一課長は、副署長に捜査員の一人として捜査に加わるよう要請したのです! しかも、私と副署長を非常に驚かせる一言を発せられたのです。なんと刑事部長のポストを内示されてらっしゃるという黛一課長、後任の捜査一課長に副署長をご推薦されたというではありませんか! 私が昼夜を問わず夢にまで見た“副署長が一課長になる日”が現実になるかもしれない…。嗚呼、副署長は黛捜査一課長の思いにどう応えるのか…私も気が気でなく、悠長にトイレで長居している場合ではございません。

 その矢先、苅部が藤倉さん殺害事件の新聞記事を切り取っていたことが判明。署に連行された苅部は犯行を全面否定しましたが、ちょうどそのころ水口記者が自分宛に送られてきたという婚約指輪と新聞の切り抜き記事を持って署に現れ、「これを提供する代わりに、苅部の独占インタビューをさせてくれ」と言ってきました。指輪は確かに藤倉さんの指から抜き取られたものでした。しかも、付着していた指紋が苅部の指紋と一致したのです。やはり苅部が犯人…!? しかし副署長は、送られてきた切り抜き記事の形が、苅部が切り抜いて財布の中に入れていたものと違うことに気づかれていました。ただ、そうは言っても肝心の財布は苅部が川に落としてしまい、見つかっておりません。実際に苅部が切り取った記事が出てこない以上、決め手には欠けてしまいます…。

 やがて、苅部の逮捕状は正式に申請されました。副署長は猛反対なさいましたが、現在はまだ一捜査員の身。副署長の発言がやすやすと通るはずがございません。副署長…貴方は少々不得意でしょうが、ここはグッと我慢するしかありません…。私もグッとトイレを我慢しながら、そう願っておりました。ところが副署長、やはり我慢はあまり得意ではありませんでした。副署長はこっそり、島に“苅部が切り抜き記事を入れた財布が存在するが、未だに発見されていない”という情報を流されたのです。水口記者に出し抜かれ続けて息巻いていた島は、さっそく記事にして掲載しました。すると、財布を拾った市民が記事を読んで、署に現れたのです! これこそが副署長の狙いでした。しかも、さっそく中を改めたところ、苅部の供述どおり新聞記事が入っていたのです!

 苅部が犯人ではないと確信した副署長は、これまで得た情報を整理し、真犯人が水口記者であることに気づかれました。実は水口記者、苅部が起こした事件に衝撃を受け、逮捕後もずっと動向を追っていたのです。そんな中、苅部の仮釈放を報じる記事を書いていた水口記者は偶然にも、苅部が殺した沢恵さんと同じように婚約指輪を友人に見せる藤倉さんを目撃したのです。苅部が犯行時どんな思いだったのかを知りたい――そんなおぞましい衝動に駆られた水口記者は、苅部と同じ手口で藤倉さんを殺害しました。しかも、水口記者はもはや我々の想像など及ばない狂気に憑付かれていたのです。彼は殺害後、今度は苅部が自分の犯行をどう思ったのかを知りたいと考えるように…。そこで独占インタビューを取り付けるため、藤倉さんの指輪と切り抜き記事を署に持ってきたのです。

 完全に常軌を逸した水口記者に反省の色は皆無でした。そんな彼に副署長はかつてないほどの怒りを覚えられたご様子。水口記者を殴り、その場で平松刑事(宇梶剛士)に逮捕させたのです。こうして今回の事件は解決致しました。さすがは副署長。貴方の洞察力と刑事のカンがなければ、今回の事件は冤罪に結びついていたかもしれません。やはり、貴方は捜査一課長になるべき御方!しかし、副署長はその話をお断りになられました。いろんな人間の心の目と向き合って、犯罪が起こる前に、その芽を摘んでいきたい――それが副署長のお出しになった結論でした。私としましては正直に申し上げると、残念な気持ちもございます。しかし、副署長の心意気はご立派!かくなる上は、私ももうしばらく“副署長が捜査一課長になられる夢”を実現させることを我慢し、心を鬼にして副署長を決裁業務に専念させていきたいと思います。よろしいおすな、ふ…副署長? …まったく、油断も隙もない。今度はどこを全力疾走されておられるのやら…。


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