2009年11月26日

その男、副署長 シーズン3 File8

「名前のない『杉木立』の男が、橋から転落死する前に俳句に遺した『罪』とは何か?」

警務課長の近藤(本田博太郎)でございます。池永副署長(船越英一郎)は定年退職署員の再就職先を確保するため、日々の無断外出で鍛えられた足腰を使い、街中を走り回っておられます。副署長、その調子でぜひとも本業にまい進して頂きたいものです。

 ところがそんな私の願いも虚しく、またも副署長が事件に首を突っ込む運びとなってしまいました。副署長は鴨川橋の上で、ニット帽をかぶった男性(隆大介)が欄干から身を乗り出している姿を目撃されました。自殺だと直感した副署長は男性を引き止めましたが、男性は「自殺しようとしたわけではない」と言い張るではありませんか。そこで、副署長は名刺を渡し、何か困ったことがあったら電話するよう言い残して去りました。

 ところが翌日、その男性の水死体が鴨川橋から20メートルほどの下流で発見されたのです! 所持品の中には『罪負いし 身にもひとしく細雪』という、辞世の句と思われる俳句が記されたコンビ二のレシートが。あのとき自分がちゃんと止めていれば、こんなことにはならなかったのではないか…。副署長は胸を痛めながら鴨川橋に立たれました。そこで、意外な人物に出会われたのです。その人物とは5年前に退職した元刑事の富樫雄介さん(若林豪)でした。どうやら刑事時代の血が騒いで、鴨川橋においでになったようですが…。

 亡くなった男性はホームレスで、なかなか身元が判明しませんでした。この男性の名前をどうにか取り戻してやりたい――副署長は突き動かされるように捜査を始められました。そして、彼がたびたび『杉木立』という雅号で雑誌に俳句を投稿していたことを突き止められたのです。さらには、男性が口ずさんでいた歌を手がかりに卒業大学をも掴み、彼が矢田昇一さんだという事実に辿り着きました。しかし、副署長にはほかにも俳句に記された『罪』の意味、なぜか川に落ちずに岸辺で見つかった矢田さんのニット帽が気になるご様子で…!? 私が電話を差し上げても、「向かい風が強くて上手く歩けない」などと見え透いた嘘をつき、いつまで経っても署にお戻りにならない副署長。嗚呼、副署長は今回も捜査に没頭するという罪を犯してしまいそうです…。

 その後、矢田さんが死ぬ直前、鴨川橋の上で富樫さんと何やら口論していたことが判りました。調べを進めると、当時サラリーマンだった矢田さんは8年前に家族を捨てて家出。そのころ、現役だった富樫さんはサラリーマン・柴本正弘さん(浅田祐二)の自殺について調べていたのです。柴本さんは矢田さんと大学の同期生で、同じ企業に勤めていました。なんと、その企業は警察キャリアの天下り先でもあったのです。おそらく、富樫さんが当時聞き込みをした社員の中に、矢田さんもいたと思われます。さらに、妙なことも次々と判明して参りました。柴本さんの死後、矢田さんは失踪。柴本さんのマンションからはパソコンと周辺機器が盗まれていたのです。

 ここまで条件が揃えば、副署長がよからぬ臭いを嗅ぎつけるのは当然のこと。私が追加でお願い申し上げた決裁書類を投げ出して、走り出すのも時間の問題でございます…。そこへ、矢田さんのニット帽にムラサキシジミという蝶の鱗粉が付着していたことが判明しました。どうやら、それが副署長の推理を固める決定打となってしまったようです。
『勤務中 走るべからず 副署長』――私の渾身の名句も虚しく、副署長はすでに走り去ってしまっていました…。

 すべての真相はこうでした。8年前、矢田さんと柴本さんは勤務先が脱税し、天下り役員の住宅費やゴルフ会員券に充てていたことを知りました。2人は不正を暴くため証拠を集めていましたが、矢田さんは直前で報復人事を恐れ、柴本さんを裏切ったのです。柴本さんはショックで自殺してしまわれた。自分だけのうのうと暮らすわけにはいかない――良心の呵責に苛まれた矢田さんは名前も家族も捨て、ホームレスになったのです。一方、柴本さんの自殺を捜査していた富樫さんも、警察の威信を揺るがす不正が絡んでいることを知り、怖気づいて捜査を止めてしまいました。ところが先日、富樫さんは矢田さんを目撃。矢田さんを自分に重ね合わせた富樫さんは、矢田さんを「臆病者」と一喝し、家に帰るよう説得しました。その直後に矢田さんの自殺を知った富樫さんは、責任を感じていたようです。しかし実は、矢田さんは自殺したのではありませんでした。鴨川橋の上で家族へ思いを馳せていた矢田さんは、娘さんとの思い出の詰まったムラサキシジミを発見。ニット帽でその蝶を捕ろうとして、バランスを崩して橋の下に落下したのでした。そう、これは悲しい事故だったのです。

 しかし、警察も絡む不正が判明した以上、ただの事故として穏便にすべてを済ますわけには参りません。時効は過ぎていたものの、藤原署長(萬田久子)は市民に事実を公表することを決意されました。署長…何ともご立派な御決断でございます。副署長も署長を見習って、『これ以上 走り回らず 決裁業務』と決断して頂きたいものです。


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その男、副署長(3)第8話 名前のない死体
Excerpt: 『名前のない「杉木立」の男が、 橋から転落死する前に俳句に遺した「罪」とは何か?』“名前のない男!?京の秋空に手を伸ばす謎”内容退職する署員達の再就職先のあいさつ回りの池永副署長(船越英一郎)目の前で..
Weblog: レベル999のマニアな講義
Tracked: 2009-12-04 18:49

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