その旅行中、急用で先に帰京した香菜を除き、祐子と美也子は山で道に迷い転落。その事故で美也子は旅行の記憶を失い、祐子だけが帰らぬ人となってしまったのだ。
そんな祐子の命日に、仕事で休めない陽一郎(風間杜夫)と和子(黒田知永子)夫婦と、須美子(原沙知絵)を東京に残して、光彦と母の雪江(佐久間良子)の二人は木曽へと向かう支度をしていた。いつものように陽一郎の部下・桐山(田中幸太朗)が陽一郎を迎えに来ると、祐子の話を聞いた桐山は、仏前に線香をあげたいと申し出る。その仏前で、祐子の死に納得できないことがあると、桐山にこぼす光彦。旅行へ出かけた祐子に貸したカメラが、いまだに発見されていないというのだ…。木曽出身の桐山に、来年の命日には里帰りがてら一緒に木曽へいこうという言葉を残して、光彦たちは木曽へと向かった。
ほどなく、祐子の遭難場所へ花を手向けた光彦。山道はきついだろうと、雪江は宿に残り、光彦一人で事故現場へとやってきていた。と、その前に、花束を持った女性が一人…。その女性は、7年前に祐子と一緒に旅行をした香菜だった。下山して、旅館で待っていた雪江と合流した光彦と香菜。雪江と顔を合わせた香菜は、7年前の想いが込み上げ泣き崩れる…。
そんなとき、新たな事件が起こっていた。なんと、旅の記憶を無くしていた正法寺美也子が、木曽で殺害されたというのだ。美也子の所持品の中には、皇女和宮の下向に関する一冊の本と、宿場の一角で撮影された、祐子と美也子と若者2人が写る写真が。残された写真が撮影された場所を特定するために、木曽署の刑事・野上(柴俊夫)と田部(石井テルユキ)が、奈良井宿を訪れると、7年前に祐子が歩いたと思われる場所を巡っていた光彦たちと出くわす。刑事たちから、正法寺美也子が遺体で発見されたことを聞いた光彦らは、写真に写っている女性は家族の祐子だと伝え、美也子が殺害された状況を野上から教えてもらった。
その後、手がかりを探しに、美也子が所持品していた本の、裏表紙に書いてあった古本屋を訪ねる光彦と刑事たち。その古本屋の店主から、美也子がこの本を買ったときの状況を聞くと、この本は誰が売りに来たかをしつこく尋ねたという。そこで、特に心配はないだろうと、本を売りに来た池田博之(米村亮太朗)というスナック店主の名前を教えたとのことだった。
光彦と刑事たちがそのスナックを訪ね、店内にいた池田に写真を見せると、脱兎のごとく逃走。行方がわからなくなってしまう。
しかし、池田の関係者を捜査した結果、写真に写っていたもう一人の男は、木曽東高校時代の同級生・木藤幸司(斉藤祥太)だということが判明した。木藤が働く漆器工房を訪ねる光彦と野上。そこで光彦は、ある一枚の写真を見つけ驚愕する。
一方、美也子が殺害された事件は、陽一郎と桐山のところにも連絡が入っていた。刑事局長の家族に関わる事件なので、きちんと真相を突き止めるべきだと、進言する桐山。木曽出身なので土地勘もあり、光彦の手助けができるはずだという桐山は、陽一郎の了解を得て現地へと向かった…。
浅見光彦〜最終章〜 TOPへ
タグ:浅見光彦〜最終章〜