被告人の芹沢は大学医学部に通う学生で、教授も一目置くほどの秀才だった。芹沢は医学部でエリートコースを辿る男・茅ヶ崎と恋愛関係になったものの、半年後茅ヶ崎に新しい恋人ができたために別れを告げられる。しかし芹沢は諦めきれずに茅ヶ崎の恋人をマンションで待ち伏せ、金槌を後頭部めがけて振り下ろした。被害者の女性は全治10ヶ月の重傷。
検察側の証人として法廷に立った茅ヶ崎は、芹沢が常に完璧を求める女性であったこと、その嫉妬深さゆえに別れたこと、しかし、自分には愛されていた実感がなかったと証言する。その証言に対し芹沢は反省の色もなく「自分は負けたわけじゃない」とつぶやく。北はそんな芹沢を見る山野の視線がいつになく真剣なことに気づく。
さらに傍聴後、山野は「あの女は自分の目標のために一心不乱に進んできたんだ」と芹沢をかばう発言をし、北と美和は困惑する。その後、北は山野が弁護士の村田と知り合いだったことを知り、山野には過去に罪を犯した経験があるのでは…?と疑う。
数日後、北と美和は山野の口からその意外な過去を聞くことになる。山野は昔、弁護士を目指していたが司法試験に受からず、10年粘った末に諦めたのだという。山野は「当時は負けたら人生おしまいだという思いに支配されていた」と語り、ゆえに芹沢に共感していたことを打ち明ける。そして審理の日。依然として「被害者の女性を消せば、自分が一番になっていた」と言い張る芹沢に、傍聴席にも沈黙が訪れていた。そんなとき弁護人から緊急の情状証人の申請が出る。証人は芹沢の父。そして彼は娘が事件を起こしたのは自分のせいだと話し始めた――。
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