2009年11月12日

その男、副署長 シーズン3 File6

「身代金を3つのバイオリンケースに入れさせた誘拐犯は、
                なぜ誘拐した子供にタコヤキを食べさせたのか?」

警務課長の近藤(本田博太郎)でございます。最近、「河原町署の紹介だ」と名乗って、事件現場の清掃を請け負う業者が出没しているとか。警察が特定の清掃会社と癒着するなど言語道断! 私どもも一切その業者とは係わり合いがございませんが、善良な市民の皆様からは日々クレームが寄せられ、大変困惑しております。

 そんな折、池永副署長(船越英一郎)が佐藤修平(蟹江一平)という男を連行されました。何でもこの男、空き巣被害者の主婦に「空き巣に割られた窓ガラスを修理するために、河原町警察署のほうから来ました」と話しかけたとか。曖昧な言い方でだます――これは明らかに騙り商法!しかし、便利屋を営む佐藤は「自分は困っている人を助ける“お助けマン”だ」と主張。金銭的被害の訴えもないため、結局は放免されることになりました。

 数日後、小学生の八木沼勇斗くん(西村天翔)が誘拐される事件が発生しました。犯人から6千万円を要求されたご両親は指示通り、バイオリンケース3個に2千万円ずつ入れ、指定場所まで運びました。すると、あの佐藤修平が現れ、ケースのひとつを受け取ったのです!しかし、逮捕された修平は「バイオリンケースを受け取って音楽教室に届けるよう、携帯メールで依頼されただけ」と主張。そのメールをご覧になった副署長は、宛名が佐藤“脩”平様となっていることに目を留められました。さらに、修平も小学生のとき何者かに誘拐されたことが判明したのです。まさか2つの誘拐事件には何かしらの関係が!? 嗚呼、副署長は今回も誘拐されたのかと思うほど、長い間お席を外されそうです…。

 幸いにも勇斗くんは無事解放されました。ただ、どういうわけかズボンのポケットにはタコヤキを食べたと思われる爪楊枝が…。しかも、勇斗くんは一緒にいたはずの犯人について何も言わないのです。そこへまた事件が起きました! 建設現場の日雇い作業員・塚原秀樹(山内としお)の死体が発見されたのです。現場には「さとうしゅうへい」と書かれた名札が…。さらに、修平がバイオリンケースを受け取った直後、別の場所で最後のケースを取りに来たバイクのタイヤ痕が、塚原のものと一致したのです!

 副署長は修平が誘拐された事件のことについて調べ始めました。すると、妙なことが判明しました。当時、修平も誘拐犯にタコヤキを買ってもらっていたのです。しかも、修平はもともと“脩平”という名前で、誘拐事件の2年後に本人の意思で現在の表記に変えたというではありませんか! なんでも“脩”の字は、実の父親・成田脩治(深水三章)から取ったものだったとか。しかも、成田は先月まで塚原と同じ建設現場で働いていたことまで明らかになったのです!

 実は、修平を誘拐したのは成田でした。しかし、解放された修平は実の父親が捕まらないように、偽の犯人像を証言していたのです。自分は共犯者になってしまった――その苦悩から逃れるため、修平は実の父から受け継いだ漢字を変えたといいます。しかし、成田は修平を誘拐するつもりは毛頭なかった…。新しい父親・佐藤明彦さん(藤田宗久)、その父親と自分の母親との間に生まれた弟に対して疎外感を感じていた修平に、両親の愛情を感じさせてやりたくて誘拐犯のフリをしただけだったのです。だからこそ当時、成田は修平に「両親が抱きしめてくれる魔法だ」と言って、タコヤキを食べさせてもいたのです。

 成田の我が子を想う気持ちはその後もずっと健在でした。修平が便利屋をしていると知った成田は、息子のために陰ながら協力をしていました。勇斗くんの家の犬がいなくなり、修平が捜索依頼を受けたときもそうでした。成田はこっそり犬を探し回り、勇斗くんの家に届けていたのです。しかし運悪く、その現場を塚原に目撃されてしまいました。塚原は身代金目的で勇斗くんを誘拐しようと画策。「子どもの面倒をみてほしい。荷物を運ぶ手伝いをしてくれる人も必要だ」とだけ言い、成田を巻き込んだのです。塚原の陰謀を知らない成田は純粋に息子のためになると思い、バイオリンケースを受け取る仕事を修平にメールで依頼しました。宛名の表記が“脩平”になっていたのは、成田が改名の一件を知らなかったからなのです。

 成田は勇斗くんに優しく接していました。幼かったころの修平と同じように、両親の愛情に飢えている勇斗くんに“魔法のタコヤキ”も作ってあげていました。塚原に内緒で勇斗くんを解放したのも、ほかでもない成田でした。ところがその直後、塚原が勇斗くんを殺すつもりだったことが判明。成田は怒りに任せて、塚原を突き飛ばしました。その時、塚原が鉄材に頭をぶつけて死亡してしまったのです。

 やがて、成田は自首しました。成田の父としての想いも、修平に伝わりました。しかし、修平と育ての父・明彦さんの心をもきちんと通わさなければ、この一連の事件は解決したとは言えない――副署長はそう思われたのでしょう。こっそり署を抜け出して修平のもとを訪れ、「息子との間に壁を感じている明彦さんを助けてほしい」と依頼されたのです。ふ、副署長…なんと粋な計らいを…。本来ならば決済書類を放置した副署長を諌めたいところですが、今回ばかりは私もクレームは自粛すると致しましょう。


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