そんな折、写真スタジオのマネージャー・林(北村有起哉)の妻・ユカリ(鈴木砂羽)が職場に現れた。ユカリの話によれば、林はかつて写真を撮ることに多大なる情熱を注いでいたらしい。なぜそんな彼がマネージャーの道を選んだのか――なりふり構わずカメラマンへの道を突き進めないでいる正宗は気になって仕方がない。その夜、正宗は一緒に飲んだ先輩・木村(日村勇紀)の強引な誘いで林家を覗きに行くハメに。林の家で一晩寝てしまった正宗らは、翌朝になって想像もしなかった光景を目の当たりにする。なんと、林がエプロン姿で家事をしていたのだ!
実は、林は結婚当初、外資系の金融会社に勤めるユカリの給料で生活を支えてもらい、写真を撮り続けていた。ところが、林がカメラマンとして少し稼げるようになったころ、ユカリの仕事が多忙を極めるようになった。帰宅は連日深夜におよび、1年の半分以上は海外出張。そこで、林は妻と子どもたちのために家事を担当することを決意し、カメラマンの道をスッパリと諦めたという。正宗は林の決断力を羨ましく思うが、どんなに考えても自分の進むべき道が見えてこない。
その後、保育園へコハルを迎えに行った正宗は、保育士・友哉(村上信五)からコハルが不機嫌だった理由を聞かされる。コハルは何でも話そうと約束したのに、悩み事を打ち明けてくれない正宗に対して怒っていたのだ。そこで正宗は意を決し、コハルに本音を話すことに。しかし、自分がこの先どうしたいのかが分からずにいる正宗は、悩みの本質を漠然としか話すことができない。
一方、林家ではユカリの香港への転勤話が持ち上がっていた。しかし、ユカリはその話を断るという。林が家族のためにカメラを諦めたことに負い目を感じていたユカリは、林のためにも仕事を頑張らなければならないと感じ、必死に働いてきた。ところが、自分がいなくても平和に暮らせている家族の姿を見て、このままでは自分の居場所がなくなるような不安に駆られていたのだ。そんなユカリの想いを聞いた林は、あることを思いつく。
休日、林はユカリと子どもたちをスタジオへ呼び出した。「オレは家族のために犠牲になったと思ったことは一度もない。カメラを持たなかったのは、中途半端な気持ちで持つのがイヤだっただけだ」。一度は手放したカメラを手にして、幸せそうにユカリと子どもたちの写真を撮る林。家族の絆、そこに自分の居場所をハッキリと感じたユカリは、香港への出張を決意する。一方、そんな林家の撮影アシスタントをした正宗も、幸せな気持ちに。撮影中、自然と笑みがこぼれてくる。その姿がコハルにはキラキラと輝いて見えて…。 「正宗くんがお仕事してる時の顔、コハルの大好きなおてんとさまみたいでした」。
そんなコハルの言葉と笑顔に触れ、正宗はようやく決断を下す。「僕、写真を頑張ってみようかと思うんだ。それが、僕がコハルちゃんのおてんとさまでいられる道のような気がするから」――。笑顔があふれ出す正宗とコハル。また一歩あゆみ寄ったふたりは、新たな未来に向けて前進しようとしていた…。
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