取材を終えて東京へ帰った光彦に、兄・陽一郎から見合いの話が持ちかけられた。そのお相手は、警視総監の奥様から紹介された女性だ。お見合いに乗り気ではない光彦に、下手に断ると陽一郎の立場にも響くと警告する桐山(田中幸太朗)の言葉に、ほとほと困る光彦。と、その時、先日に取材をしたばかりのナミが殺されたという新聞記事の見出しが、光彦の目に留まった。
その翌日、遠野へと駆けつけた光彦。事件の目撃情報によると、ナミ殺害の犯人は2人組で、一人は住田(咲野俊介)という男らしいという話を真二とマリ子から聞く。そんな折、近くに住む岩岡(森本レオ)が訪ねてきた。近所に住んでいるという岩岡は、自分の畑で取れた野菜を持ってきてくれるなど、横居家と親しくしている間柄だという。
光彦が事件のあった部屋で話を聞いていると、表にパトカーが乗りつけられ、真二が事情聴取のため警察署へと連行されてしまう。目の前で、まるで犯人のように父を警察に連行され、ショックを隠せない詩織。そんな詩織を見た光彦は、「お父さんを信じる」と詩織を励ますと、犯人への強い怒りを覚え遠野警察署へと向かった。
刑事によると、真二には10年前に傷害の前科があり、自営する不動産業の経営は火の車だという。事件当日の夜、家族3人で花火大会の会場にいたと主張している真二だが、マリ子ら身内の証言ではアリバイとして弱いと疑っているのだ。
そんな刑事たちの態度に食ってかかる光彦だが、光彦の態度に不信感を抱いた刑事たちは、光彦の身元を調べることに…。ほどなく、光彦の身元が明らかになると、掌を返すように刑事たちの態度が逆転。光彦に事件の概要を説明する。それによると、犯人は2人でナミの家へと押し入り、ナミを殺害した後、現金を奪って車で逃走。その事件当日の目撃者から、犯人の一人に、過去に粗暴な行動をしていた住田という男が浮かぶ。しかし、その住田の行方は不明だという。また、真二と住田の接点も見つかっていない。
警察の捜査に大きな疑問を抱く光彦は、住田と関わりのあった人たちの聞き込みを始める。だがそんなとき、住田が遺体となって釜石港で発見された。
詩織の明るさを取り戻そうと孤軍奮闘する光彦は、マリ子に真二の前科の話を聞く。マリ子によると、真二は正当防衛だったのだが、傷害罪に問われて懲役3年の刑を言い渡された。がしかし、ある刑事が上司に逆らい、正当防衛を証明してくれたおかげで、執行猶予が付いたという。その刑事の名を光彦が聞くと、直接会ったことがないので知らないというマリ子。マリ子の態度を怪訝に感じた光彦は、その刑事の姿を探すことに…。
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