フリーターの北森夫は東京地方裁判所(地裁)で傍聴券を求める列に並ぶバイトをしていた。北に声をかけてきたのが、趣味で裁判の傍聴をしている“傍聴マニア”の山野。「裁判ほど面白いものはない」という山野は、北を傍聴に誘う。
一度は断った北だが、偶然にミニスカートの可愛らしい女性・美和を見かけ、その後を追って裁判所の中へ。待ち受けていた山野は北に、その日行なわれる裁判が書かれた「開廷表」の見方と傍聴のノウハウを教える。傍聴はすべてタダ。人気のある裁判以外は傍聴券など必要なく、法廷の扉を開ければ裁判はすぐに見られる――そして北は初めての傍聴を体験すべく、408号法廷の扉を開いた。
408号法廷では交通事故の裁判が行なわれていた。被告人は車で被害者を撥ね、死亡させた白石(24)。事故が起きたのは早朝。眠たげな目で車を走らせていた白石は100キロを出して交差点を通過、突然飛び出してきたバイクをよけきれずに被害者を撥ねた。しかし白石側の信号は黄色。つまり被害者の信号無視だった。北は「俺も早朝ならスピードを出してしまうかもしれない」と白石に同情するが、立ち上がった白石を見てあ然とする。彼が着ていたのはドクロマークのトレーナーだったのだ!人を死なせて誠意を見せないといけない時に、そりゃないだろ!と心の中で叫ぶ。北は一転して「息子に謝って」と訴える被害者の母・和代の味方になる。しかし審理後、北は法廷の外で白石が和代に深々と頭を下げ、誠意を持って謝る姿を見て混乱する。「白石は不器用なだけかもしれない」――人間の業や裏側が見え隠れする裁判の傍聴に、北はすっかりハマる。
そんな北と山野が喫茶店で休んでいると、北が目を惹かれた女性・美和が入ってくる。美和は検事を目指す法学部の学生で山野とも顔なじみだった。北は美和に誘われ、725号法廷での強制わいせつ裁判の傍聴をすることになる。被告人・木村は40代の会社員。事件の日、木村はドラッグストアで万引きをした16歳の高校生・愛を言葉巧みにホテルに連れ込み「言うことを聞けば、万引きのことは誰にも言わない」と無理やりわいせつ行為をし、裸の写真を撮ったという。北は木村を「最低なヤツ」と軽蔑するが、木村の妻・加奈の証言を聞いて仰天する。加奈は子どもが生まれた後8年もの間、夫とのセックスを拒み続け、代わりに女子高生もののアダルトDVDを与えていたというのだ。証言ひとつで被告人・木村が別人に見えてくることに驚く北。が、その後の法廷でさらに事態が一変する――
果たして、真実とは真相とは何か?
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