ところが、ひょんなことからコハルの存在を光代が知ることに!男手ひとつで育てられた経験を持つ光代は正宗の考えの甘さを指摘し、隠れてコハルを産んだ陽子(優香)のことを無責任だと責め立てる。それは息子、そしてかつての自分と同じ環境に置かれたコハルを心配するあまりに出た発言だった。しかし、光代の発言にカッとなった正宗は、頑として「自分で育てる」と言い張る。
そんな中、保育士・友哉(村上信五)から「笠間さんが父親としての役目を果たしているとは言いがたいところがある」と聞かされた光代は、夫・清助(山崎一)と相談。正宗のもとを訪れ、コハルと共に実家へ戻るよう提案する。手のかかる子どもをちゃんと育てていくためには、大人のきめ細やかなケアが必要。実家で暮らせば、正宗の手が回らない部分を光代らがサポートしてあげることができるからだ。コハルのことを考えた正宗は、コハルに「おじいちゃんとおばあちゃんの家に行きたいと思う?」と尋ねる。コハルは複雑な心境になるが、友哉から「パパもおじいちゃんとおばあちゃんに助けてもらった方がラクになるんじゃないかな」と言われ、正宗に選択を委ねることを決意する。
しかし、それはコハルの本心ではなかった。コハルは正宗と一緒に、このまま今のアパートで暮らしたいと考えていた。陽子が正宗と一緒に暮らしたいと言っていたアパートだからだ。コハルはその思いを一枚の絵に託す。その絵には、アパートの前で幸せそうに手をつなぐ正宗とコハル、そして陽子の姿が描かれていた…。一方、正宗は悩んだ挙句、実家に戻るという選択肢に傾いていた。ところがその矢先、コハルの絵を発見。このままコハルとふたりで暮らしていくことを決意する。それこそが正宗とコハルにとって、いちばん幸せを感じられる生活だった…。
しかし、正宗の決断を聞いた光代は、父と二人暮らしだった幼いころの自分とコハルの境遇を重ね合わせ、首を縦に振ろうとしない。そんな光代に、正宗は「母さんは不幸だった?」と問いかける。その言葉が発端となり、自分の世話を喜んでしてくれた父親との幸せな日々を思い出した光代は、ひとり隠れて涙を流すのだった。
翌日、正宗は清助から光代のオムライスに隠された親の愛情について聞かされる。光代は玉ネギが嫌いな正宗のため、オムライスの中に摩り下ろした玉ネギを入れて、ソースで匂いを消す工夫を凝らしていたのだ。その話を聞いた正宗は、シイタケが嫌いなコハルのため、必死でシイタケを細かく刻み、こっそりオムライスに入れる。そのオムライスを「美味しい」と言って食べるコハル。いつしか玉ネギを食べられるようになった自分と同じように、コハルもシイタケを食べられるようになるのだろうか――そんな思いをめぐらせながら、正宗はコハルを優しく見守るのだった…。
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