そんなある日、正宗のもとに陽子の訃報が届く。あまりにも突然すぎる陽子の死を受け入れることができない正宗は、ショックに打ちひしがれながら、陽子との思い出が詰まった桜の木へ。そこで、ひとりの女の子と“運命的な出会い”を果たす。女の子の名はコハル(石井萌々果)。なんと、彼女は陽子が遺した娘。しかも、正宗との間に生まれた子どもだったのだ!
陽子が自分の子どもを産んでいた…? どうして、僕には何も言わずに…?想像すらしなかった事実に困惑する正宗。そんな彼のもとへ、陽子の母・志織(朝加真由美)が現れた。正宗が3年間送り続けた手紙が入った箱を渡し、「1日だけコハルを預かってほしい」と言う。陽子の命を奪った事故の手続きのため、コハルのそばにいてやれないというのだ。結局、正宗はコハルを預かることに。しかし、子どもの扱い方が分からない正宗はオロオロするばかり。しかも、公園の花を嬉しそうに見るコハルの姿に陽子を重ね合わせた正宗は、思わず食い入るように見つめてしまい、偶然そばにいた保育士・友哉(村上信五)から不審者に間違われる始末…。
そこへ、職場の先輩・木村(日村勇紀)が現れた。正宗の発注ミスが原因で、雑誌の撮影現場がストップしているという。正宗は仕方なくコハルにその場で待つよう言い残し、急いでスタジオに戻ることに…。やがて日は落ち、雨が降り出した。びしょ濡れになりながらも、公園で正宗を待ち続けるコハル。通りかかったシングルマザー・はるか(平岩紙)はコハルを屋根の下へと誘うが、コハルは「ここで待ちます」と言い、頑として動こうとしない。
そこへ、ようやく仕事を終えた正宗が現れた。ホッとした表情を見せるコハル。しかし次の瞬間、はるかから「こんな小さな子を放っておくなんて、父親の資格なんかない!」と怒鳴られて正宗が思わず口走った一言が、コハルの心に突き刺さる。
「僕は父親なんかじゃないんです!」 ショックを隠せないコハル。
しかも、ずっと雨に打たれていたコハルは倒れこんでしまい、病院に運ばれる。駆けつけた志織に「コハルちゃんはずっと怖かったんだと思う。あなたも陽子のように帰ってこないんじゃないかって…」と言われ、返す言葉のない正宗。
そんな正宗に、志織は自分がコハルを育てる旨を伝える。志織に連れられて病院を後にするコハルを、正宗はただ黙って見送ることしかできなかった…。しかし別れ際、コハルは落ち込む正宗を元気付けようと、あるものを手渡す。それは、陽子がコハルのために作った大切なお守りだった。
僕なんかじゃ、コハルちゃんに何もしてやれない――頼りない自分に苛立ちを覚える正宗。しかし翌朝、正宗は志織が以前置いていった箱の中に、届くことのなかった自分宛ての手紙の束を発見する。陽子もまた、別れた正宗に手紙を書き続けていたのだ!その手紙には正宗の未来を制限しないよう、ひとりでコハルを産む決意をした陽子の不安や葛藤、ずっと消し去ることのできない正宗への想いが綴られていた…。
その矢先、志織から「コハルがいなくなった」との連絡が!正宗は咄嗟に、コハルと出会った桜の木へ。そこには、ひとりで泣いているコハルの姿があった…。「みんな忘れろっていうの。でも、コハルはママのことを忘れたいとは思わない」。その想いは正宗も同じだった。「コハルは、ママの大好きな人と一緒にいたい」――その言葉に突き動かされるかのように、正宗は大きな決断を下す。
「自信はないけど…一緒に暮らしてみませんか?」
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