2009年09月06日

官僚たちの夏 第9話

昭和40年(1965年)、日本はオリンピック景気の反動から、深刻な不況を迎えていた。同時に物価上昇、公害拡大、都市の過密化など高度経済成長のひずみが表面化してきた。

そんな中、「弱者も一緒に豊かに暮らせる国づくりを目指す」と、通産省次官に就任した風越慎吾(佐藤浩市)は、石油の輸入自由化の影響により、斜陽産業になりつつある石炭産業を救済するため、鮎川光太郎(高橋克実)を企業局長に据える。

一方、重工業局長から繊維局長へ転任させられた、国際通商派の片山泰介(高橋克典)は、「風越が次官では自分が次官になる道は閉ざされた」と辞表を提出する。しかし、風越は片山を引き止め、片山自身が立案した大阪万博を実現させるよう求める。

そんな折、北海道の麻幌炭鉱で爆発事故が起こる。この事故は、人件費削減で安全業務員を減らしたことが発端で、体調不良で入院していた鮎川は「自分の仕事の遅れが大事故に繋がった」と責任を感じる。
片山とともに大阪万博計画委員会を運営していた牧順三(杉本哲太)は、片山に「鮎川の病状が思わしくないなら僕が次官になる可能性も生まれ、君の次官の道も開ける」と片山を慰留する。さらに、「風越一派の弱者救済策は日本発展の足枷になる」と風越の政策を批判する牧は、片山とともに須藤恵作(長塚京三)総理大臣と面会し、自らの考えを売り込む。

そんな二人の動きをよそに、鮎川は無理を押して職場復帰するが、今度は九州の松池炭鉱で爆発事故が発生。病み上がりの身体で現場へと急ぐ鮎川は、豪雨で道路が寸断される中、やっとの思いで歩いて現場に到着すると、「二次爆発を防ぐために行方不明者が残された坑道に注水措置を行うかどうか?」という重大な判断に直面する。二次爆発が起きれば炭鉱が壊滅状態となり、注水措置を行えば、坑道に取り残された行方不明者を見殺すこととなる。果たして、鮎川はどんな決断を下すのか…!?


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