2009年08月20日

任侠ヘルパー 第8話

翼彦一(草g剛)は、隼會と敵対する鷲津組の組長・鷲津莞爾(竜雷太)が「タイヨウ」に入居してきたことに驚く。事故で半身麻痺になったため介護を必要としているとはいえ、金ならいくらでもあるはずの鷲津が「タイヨウ」にやってきたことに、四方木りこ(黒木メイサ)、鷹山三樹矢(薮宏太)、黒沢五郎(五十嵐隼士)、六車雅人(夕輝壽太)、二本橋賢吾(宇梶剛士)らも疑いの目を向ける。

彦一は、鷲津の件を若頭・鷹山源助(松平健)に報告するが、鷲津らの企みは自分で調べるからお前らは“研修”に専念しろ、と一喝される。彦一の電話を切った鷹山の側には、和泉零次(山本裕典)がおり、普段はリストバンドで隠しているその手首には「隼會」という刺青があった。

個室に空きがないため大部屋に入った鷲津は、脳梗塞の後遺症で言葉が出ない山浦夏夫(峯のぼる)と同室になったことに不満をもらす。さらに、食事もほかの利用者と同じホールでとらされるなど、特別扱いをされないことにもストレスをためる。

そんな鷲津を見ていた二本橋らは、自分たちの正体がバレていないと思われることに安堵するが、彦一は、鷲津にひとりも組の人間が付いていないことをいぶかしがる。

そんな折、美空晴菜(仲里依紗)が花束を持って部屋にやってくる。花は、なかなか見舞いに来られない夏夫の息子が毎週送ってくるというもので、それを見た夏夫はわずかに嬉しそうな表情をする。鷲津は、そんな夏夫の家族の対応を「冷たい」と批判するが、自身にも見舞いが来ないことにいらだっていた。そして、組の者に連絡を取るが電話はつながらない。

同じ頃、「ハートフルバード」本社で会議に出席していた羽鳥晶(夏川結衣)は、記憶に不鮮明な部分が増えるなか、反旗を翻す秘書・日野弥生(中別府葵)や重役(相島一之)の行動により窮地に陥っていた。息子・涼太(加藤清史郎)は、そんな晶のために、日々の予定や記録を貼り紙にして家中に貼りはじめ、晶は、切ない気持ちでいっぱいになる。

そんな頃、彦一は施設から駆け出していくりこを目撃する。4日前、りこが組長を務める四方木連合が襲撃されケガ人も出た、との情報を六車から聞かされたのだ。彦一や五郎は、組が襲撃されているのにりこへ報告がないことに不信感を抱くが、二本橋は、女組長に反発している組員が少なくない現状からすると、それもありえるだろうと推測。さらに、結束の弱い組は狙われやすく崩しやすい、という六車の言葉に、三樹矢はりこのことが心配になる。

その頃、部屋から窓の外を眺めていた鷲津は、外出から戻ってきた晴菜を目撃する。その手には、夏夫に差し入れられる花束があった。毎週送られてくるという花は、家族ではなく晴菜が購入しているものだったのだ。それを知った鷲津は、ホールにやってくると、夏夫が頼んでもいないのに、すぐにバレるようなウソをついてお前たちは偽善者だ、と激怒して暴れまわる。彦一らが止めても収まらず、ついには施設を出ていくと言う。そこで彦一が、「帰る場所はあるのか?」と聞くと、鷲津は、自分はこの辺りを仕切っている鷲津組の組長だ、と宣言。そして、服を脱ぎはじめる。利用者たちが怖がりながらも鷲津を見つめるなか、背中一面に彫られた刺青があらわになる寸でのところで、彦一と零次が鷲津を部屋へと連れ戻す。

部屋に戻った鷲津は、彦一に正体がバレたんだからここにはいられないだろう、と言う。が、彦一が答えないでいると、弱気な声で自分も夏夫と一緒で組の者から捨てられたんだ、帰る場所などない、とつぶやく。さらに、金を払うから組の者を呼んできてくれ、と彦一に懇願するように言う。そんなとき、夏夫のほうに来た彦一が、夏夫が息をしていないことに気づく。

同じ頃、りこは、刺傷した久米武雄(田中哲司)のマンションを訪ねていた。久米から、今回の件が鷲津組によるものだと聞いたりこは、部屋にあったナイフを手にするとマンションを後にする。

一方、救急車で病院に搬送された夏夫のもとに、息子・渉(梶原善)が妻と娘とともに到着する。一命は取り留めたものの、医師からは回復の見込みはなく、できるのは延命治療だけだと告げられる。渉は、夏夫には一日でも長く生きてもらいたいから、と言って延命治療を希望し、医師もそれを了承する。すると、渉は仕事があるから会社に戻ると言い出す。それを聞いた鷲津が、今度はいつ来られるんだ、と尋ねると、渉は答えに窮してしまう。そして、仕事の都合があるから、と迷惑そうに答える渉に鷲津が激昂。「なんのために延命なんかするんだ!」と食ってかかる。自分の非を認めつつも、それでも延命治療を希望する渉に納得できない鷲津は、家族がいるうちに死なせてやる、と言って夏夫の呼吸器を抜こうする。それを阻止した彦一は、夏夫の生死は家族が決めることだと一喝。それでも、「何が家族だ!捨てられた人間はどうなる」と怒りが収まらない鷲津に、鷲津を捨てたのはこの家族ではないだろう、と声を荒げる。それ以上、反撃できない鷲津に彦一は、帰るぞ、と声をかけ車椅子を押して病室を後にする。そこへ病室から出てきた渉が彦一に礼を言う。延命できることを父も喜んでいると思います、という渉に彦一は、どうして喜んでいるとわかるんだ、と冷たく言う。その言葉に驚く渉に彦一は、自分がそう思いたいだけだろう、自分の都合で人の寿命を決めてるんじゃねえ、と言い捨てる。

その頃、自宅で晶の帰宅を待っている涼太は、約束の時間になっても戻らない晶を心配していた。

施設に戻る前に外の風に当たりたい、という鷲津のため彦一はエレベーターで階下へおりようとしていた。乗り込んだエレベーターが閉まろうとしたとき、向かいのエレベーターが開き、りこが降りてくる。鷲津を認めたりこは、彦一らが乗るエレベーターに来ると扉に手をかける。そして、持っていたナイフを取り出した。そんなりこに彦一は…。


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