海南医大救命救急センターでは、受け入れを断ったにもかかわらず救急車が向かって来ていると聞いて看護師の鴨居千夏(北乃きい)たちが慌てている。この病院では、激務によって体力・気力共に尽きてしまった救命医たちが全員辞職してしまったのだ。しかし同乗してきた進藤は、この病院の救命に赴任したと見事な手際で手術を成功させた。救命の実情を知らされた進藤は、あらためて誰もいない医局を見て愕然とする。さらに、同じ病院の放射線科で働いている看護師、山城紗江子(木村多江)から、小島楓(松嶋菜々子)が医師を辞めたかもしれないと聞き驚く。
楓は法廷にいた。実は楓は、医療ミスを理由に訴えられ、医療裁判の真っ只中にいるのだった。そんな楓を進藤が訪ねる。楓は進藤との再会を喜ぶものの、救命医としてやっていく自信はないと話す。そんな楓に、進藤はそれ以上の言葉を失った。
進藤の救命センターには、各科からやる気のない臨時の医師が寄せ集められる。進藤の下には研修医、工藤亮介(石田卓也)がつくのだが、彼も早く研修をおわらせたいと救急医療には全く興味がない。そんな時、救命センター再建のため、優秀な外科医・澤井悦司(ユースケ・サンタマリア)が医局長として赴任。だが、澤井は医療の現状を訴える講演に力を入れているようで、現場にはほとんどいない。たまに顔を出すと、患者の受け入れを拒まない進藤と、救命要請だけで患者をトリアージする澤井の考えはとことごとく対立。
しかも、澤井は先日の花嫁受け入れで問題が起きたと進藤に突きつける。緊急の帝王切開で産まれた子供に何か問題が起こったら訴えると、新郎が騒いでいるのだ。進藤は、ここでも日本医療の現実を知らされた。
そんな時、とある工場で集団食中毒と思われる事故が発生。進藤は要請された11名を受け入れようとする。しかし、進藤赴任以来、休みなしに働かされているスタッフは疲労困憊。白けたムードの中、患者たちを迎えることに。大人数の受け入れなのだが、澤井は今回も講演のためと出かけてしまった。澤井は食中毒なら問題も起きないと思ったのだが…。
食中毒と思われる患者が続々と運び込まれる中、進藤は楓からの緊急要請を受ける。楓は、野球をしていてバットが頭にあたった子供の救急車に同乗していた。しかし、今の進藤の救命センターに受け入れる余裕はない。進藤は、そこにいるのは誰だと楓に問いかけ、電話を切った。その言葉に、楓はたらい回しにされる救急車を停車させて、子供の緊急手術を始める。
大量の患者の搬送に、紗江子も手伝いに来た。なんとか話の出来る患者を見つけたのだが、食中毒を出したと思われる弁当は食べず、お茶しか飲んでいないと言う。進藤は、毒物中毒の疑いを持つ。その疑いは的中。工場に残されたお茶から毒物反応が出た。しかし、特定された毒物の解毒剤が海南医大には備えられていない。紗江子は、薬を取りに他の病院へと急ぐ。
楓の緊急手術によって一命を取り留めた子供は、ようやく受け入れを認めた病院に転送された。楓が子供を病院に運び込むと、紗江子に声をかけられた。楓は紗江子とともに、海南医大へと急ぐ。そして、進藤たちに協力して一刻を争う患者たちに解毒剤を投与。進藤が受け入れた患者たちを助けることに成功した。
一同が、ホッとしていると1人の患者がショック状態に陥る。進藤は、その患者が毒物のストレスで心筋梗塞を併発したと診断。すぐに手術に入ろうとした時、澤井が帰ってきた。この時、進藤たち救命スタッフは澤井の素晴らしい手技を知ることになる。
夜が明けた。今度こそ一段落と顔を洗った進藤は、薬を飲んで屋上へ。そこに楓が来た。進藤の考えは正しかったと告げる楓は、海南医大の救命医になりたいと頭を下げる。
医局に戻ろうとした進藤は千夏に呼び止められる。千夏は、先日訴えると息巻いていた新郎からの封筒を進藤に手渡す。赤ちゃんに異常は見られなかった。封筒には、夫婦と赤ちゃんの幸せそうな写真に、進藤への礼が書かれていた。また、赤ちゃんの小さな手形も同封されていて…。
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