施設に戻った彦一とりこは、鷹山三樹矢(薮宏太)、黒沢五郎(五十嵐隼士)、六車雅人(夕輝壽太)、二本橋賢吾(宇梶剛士)ら“任侠ヘルパー”と、ヘルパー・和泉零次(山本裕典)に虐待の疑いがあることを告げる。しかし、虐待の判断は難しく本人がそれを認めない限り、こちらが勝手に動くことはできないのだという。
節子が心配なりこは、渡辺家を訪ねるが、節子は玄関の扉越しに答えるだけだった。それでも通ううちに、少しずつ心を開き始める。
りこの来訪を知った高志は、「ハートフルバード」に直接連絡を入れ、同じことが続けば利用を取りやめると話す。施設オーナー・や和泉らは、対応に頭を悩ませる。
彦一はりこに冷静になるよう諭すが、りこは取り合わない。そんなとき、「ハートフルバード」社長・羽鳥晶(夏川結衣)が現れ、りこの一連の言動を注意する。節子が助けを求めない限り他人のりこには何もできない、と晶からも言われるが、それでもりこの気持ちは変わらない。
りこが焦るのには理由があった。女が組長、ということでほかの組からナメられている上、りこが収める四方木組でも、若頭・久米(田中哲司)が幅を利かせはじめていた。さらに、組のシマでクスリの売買をしている素人がおり、組の中には「組がクスリを仕切るべき」と考える者たちも出はじめていたのだ。節子を助けたい、という純粋な思いだけではなく、幹部の座を持ち帰って箔をつけたい、そんな思いもりこの心中を去来していた。
一方の晶は、ひとり息子・涼太(加藤清史郎)が「タイヨウ」に彦一を訪ねてくることに戸惑いを感じていた。学校や塾に同じ年の友だちがいるだろう、という晶に涼太は「いない」と首を振る。
後日、りこは再び渡辺家を訪ねるが、節子は出てこない。何かを感じたりこは、裏口へと周り居間の戸を開けて室内へ入る。すると、節子は床に座り込み散乱した食器の破片を片付けていた。りこは、高志をかばわずに本当のことを言ってくれと訴えるが、節子は高志は唯一の家族だから、と口をつぐむ。
そんな状況を知った美空晴菜(仲里依紗)は、虐待窓口に相談しようと言うが、りこは節子が喜ぶはずはない、と賛同しない。しかし、ほかに手立ては思いつかず、ふたりは途方にくれる。そんなふたりを、彦一が見るともなしに見ていた。
翌日の夜、高志が自宅に戻ると、台所に晴菜の姿があった。高志を見た晴菜は、挨拶をして家を出る。それを見送った高志は、冷たい表情で、玄関の鍵をかけた。そして、節子に手を上げようとした――そのとき、高志の腕をりこが掴んだ。りこは、晴菜と相談して、渡辺家の押入れに身を潜めていたのだ。りこは、高志を殴りつけるが、高志は包丁を手にしてりこに襲い掛かってくる。応戦するりこに高志がさらなる一撃を加えようとしたとき、その腕を掴んだ者がいた。彦一だった。
彦一らに連れられ、節子と高志は「タイヨウ」にやってくる。高志は、園崎らを前に節子の介護で追い詰められ、手を出してしまったと話すが、サービスの利用を再開するとは言わなかった。
数日後、りこの元にクスリの売人を捕まえた、と久米から連絡が入る。電話を切ったりこは、弾かれたように駆け出す。尋常ではない様子に気づいた彦一は、りこを追う。
あろうことか、高志が売人だったのだ。彦一とりこは渡辺家にやってきて、縛られて倒れている節子を見つける。まもなくやってきた救急車に、節子とともに乗り込もうとうするりこ。彦一はそれを制し、高志のほうのケジメをつけてこい、と一喝する。そして、自らが救急車に乗り込んだ。
組の者たちに制裁を加えられ、グッタリしている高志と対峙したりこは、節子を見下す暴言を吐く高志を殴りつける。そんなりこを見た久米らは、始末するといって高志を連れ出そうとした。すると、りこはそれを制し高志を自首をさせるよう命じる。久米らは反発するが、りこは譲らない。
一方の節子は、衰弱から快復し「タイヨウ」にやってきた。りこや晴菜がホッとしたのもつかの間、節子は認知症の症状が出て、暴れはじめる。節子自身にも危険が及ぶ可能性があるということで、節子は体をロープで縛られることに。それを見た彦一とりこは、やるせない気分になる。
そんなふたりの前に現れた晶は、節子を虐待から救ったのだからヘルパーとしてはよくやった、しかし、そこまでが自分たちにできる限界だと言い放った。ヘルパーは家族にはなれないのだから、と言う晶の言葉にふたりは…。
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