――学校へ乗り込み、何とかラブシーンのない演目に変えさせようとする龍之介。ところが当然のごとく、聞き入れてもらえない。そこで、龍之介は自ら「ロミオとジュリエット」の脚本を書き直し、ラブシーンを徹底的に削除することを思いつく。ところが、出来上がった脚本を読んだあかりから度重なるダメ出しが…!
結局、何とか脚本は完成するが、それだけでは飽き足らない龍之介は稽古場まで乗り込んで、演出にもあれこれ口を出す始末…。邪魔ばかりする龍之介のおかげで、稽古場の雰囲気も徐々に悪くなっていく。それでも頑として暴走を止めない龍之介。堪らなくなったあかりは、龍之介を追い返す。一方、悠樹は龍之介の行動を見て、自分とあかりの交際をよく思っていないのではないかと疑う。「私の方が悠樹くんの両親にどう思われてるのか心配だよ」――そう打ち明け、悠樹の父親の職業を尋ねるあかり。しかし、なぜか悠樹は答えをはぐらかす。悠樹の父親は龍之介の天敵である文芸評論家・佐々木泰三(鹿賀丈史)だったからだ…。
その夜、あかりは龍之介に詰め寄り、悠樹のどこが気に入らないのかを聞き出そうとする。それに対し、龍之介は「父親として、恋愛小説家として、あかりの恋を応援している」と主張したうえで、ためらいながらも付け加えた。
「もし、交際を反対したとしたら、その時はどうする?」
「たぶん…諦めない」
龍之介は娘の言葉に、亡き妻・みのり(笛木優子)の言葉を重ね合わせずにはいられなかった。あなたとの恋を諦めません――それは結婚前のみのりが自分に宛てて書いたラブレターの一文だった。
数日後、龍之介は再び「ロミオとジュリエット」の稽古場へ。黙って見ていた龍之介だが、ジュリエットがロミオを追って死のうとするラストシーンで、突然芝居を止めに入った! 「ロミオを愛しているなら、ジュリエットは自分のために死んだ恋人の分まで生きるべきなのでは?周りの人間に祝福されるように努力しなかった2人の恋など、純愛などではない」――そう訴える龍之介。しかも、悠樹らに反論された龍之介は思わずカッとなり、「ムカつくんだよ!」という子どもじみた一言を口にしてしまう。そんな父の言動に、あかりの怒りは再び爆発。「最初の台本でやる」と宣言し、龍之介を稽古場から追い出す。しかしその直後、祖母・サチ(野際陽子)の家を訪れたあかりは、偶然にも龍之介からみのりへの手紙を発見。かつて自分の両親が交際を反対する周囲を説得させるために努力していたことを知り、父が稽古場で放った言葉の重みを感じるのだった…。
やがて演劇祭の日がやってきた。龍之介は鑑賞をためらうが、サチに連れられて足を運ぶことに。すると、驚くべきことが起こった!なんと龍之介の提案どおり、ロミオとジュリエットとともに生きていくというラストシーンになっていたのだ!! 思わずその場で気絶してしまう龍之介。だが、あかりと悠樹が自分たち夫婦の姿と重なり、少しだけだが2人の交際を認めてやろうと決意するのだった。
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