ある夜、直輝の家に、恋人の菜月(相武紗季)が遊びにくる。直輝の母・真希子(真矢みき)や妹の優里(大政絢)は、いつものように菜月を歓迎した。直輝たちが皆で食事をしていると、菜月の携帯電話に着信があった。電話をかけてきた相手は、直輝のチームメートになった廉(金子ノブアキ)だった。席を立って電話に出た菜月は、一度寝たくらいで勘違いしないで、と廉に告げて電話を切った。
そのころ莉子と麻衣は、直輝が所属するプロバスケットボールチーム『JCアークス』のヘッドコーチ・川崎(伊藤英明)に誘われて飲みに出かける。
その席に川崎が連れてきたのは、アークスのキャプテンを務める宇都宮(永井大)だった。麻衣は、ひと目で宇都宮のことが気に入っていた。だが、莉子が川崎から聞いた話によれば、宇都宮はずっと恋人を作らないことから、男性が好きなのではないか、というウワサがあるのだという。麻衣は、それにもめげずに、宇都宮に演奏会のチケットを手渡した。
そんな中、直輝たちアークスの面々は次のシーズンに向けて動き出す。来週から再開される練習の前に、選手紹介用の写真撮影などをこなした直輝は、秀治(溝端淳平)や守口(青木崇高)らとともに子どもバスケット教室にも出向き、小学生たちを指導する。直輝は、子どもたちから大人気だった。
一方、莉子は、川崎に誘われ、初めてふたりだけでデートをした。その帰り道、川崎は、ふいをついて莉子にキスすると、莉子のことが好きだと告げる――。
アークスは、直輝の母校でもある大学のチームと練習試合をすることになった。川崎は、莉子と麻衣に、試合を見に来ないか、とメールを送る。一方、菜月が付き合っている相手が直輝だと知った廉は、「今度の練習試合で、あいつより点数を稼いだら俺と付き合う。あいつの方が点を取ったら、俺はいまのまま、浮気相手としてお前に尽くす」などと菜月に持ちかける。
練習試合当日。スターターを外された直輝は、ベンチで戦況を見守っていた。麻衣とともに試合を見に来た莉子は、ベンチにいる直輝の姿に気づき、そこで初めて彼が川崎のチームの選手であることを知る。
試合の中盤、川崎は、直輝をコートに送り出した。が、アークスは、直輝が入った途端、リズムが崩れてしまう。廉も連携を無視して勝手なプレーを続けていた。そんな直輝のプレーを見つめていた莉子は、その不甲斐なさにだんだん怒りがこみ上げ、1本目のフリースローを外した直輝に向って遂に叫んでしまう。「上手いのに!才能あるくせに!何怯えてんのよ!ちゃんとやってよ、バーカ!」。直輝は、その声で冷静さを取り戻し、フリースローを決めると、それまでとは見違えるような動きを見せ…。
試合を終えた直輝は、莉子の姿を探した。しかし彼女は、すでに体育館を後にしていた。川崎は、莉子の意外な行動に驚きながらも、彼女に電話をして直輝を罵倒してくれたことに対する礼を言った。
夕方、直輝と莉子は、いつもの公園で再会する。莉子は、試合の最中に怒鳴ってしまったことを謝った。直輝は、そんな莉子に、あれで勇気が出た、と感謝の気持ちを伝えると、公式戦が始まったら見に来てほしい、と告げる。「君が見てると強くなれる気がする」と直輝。そこでふたりは、お互いの名前を教え合い…。
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