プレハブ小屋では、ワッフル屋に利益が出たことに喜んでいた栞(吉高由里子)とは反対に勇樹(遠藤雄弥)は複雑な表情を浮かべていた。理由を問い詰められた勇樹は、栞の父親の居場所がわかったことを告げる。いつも寂しそうにしている栞のために勇樹が調べていたのだ。会いに行くことを勧められるが、会いたくないと反論する栞。
術後の経過は順調で少しずつ体調が回復してきたさちの元へ康史と佳奈子と共に春男がお見舞いに来た。康史は春男とさちの会話やさちが使っている水彩画セットに目をとめ不審に思うが、後に佳奈子から手術前に2人を会わせたことを告げられる。春男の方が父親に相応しいと思っているのかと責める康史に佳奈子はそれを否定しつつも、さちの中で春男の存在を消すことができなくなっていることを告げる。病室ではさちが春男に退院したら海に連れて行って欲しいとお願いをしていた。曖昧ながらも了承したように受け取れる返事をした春男に喜ぶさち。2人の会話を康史と佳奈子が廊下で聞いていた。仕事をしながらもさちとの会話を思い出して思わず笑顔が出てしまう春男。
そんな中、パン屋に栞がやって来た。栞は春男に父親に会いに行くから付き合って欲しいと頼む。
栞の父親が営む「西田写真館」を探す栞と春男。栞の首には小さい頃に父親にもらったおもちゃのようなネックレスがつけられていた。
店を探し当てた2人に西田真一(佐戸井けん太)が話しかけてきた。栞が娘とは気付かない真一に、栞はとっさに写真を撮って欲しいと頼む。
撮影中、妻や小さな娘と楽しそうに会話する真一を見た栞はそっとネックレスを服の中にしまった。真一に気付いてもらうことなく帰る栞は涙ぐみながら春男にさちの父親に名乗り出ることを諦めたら寂しすぎると訴えていた。仕事中、荷物を運んで2階へ上がった春男は置いてあったアルバムに目をとめる。ためらいながらも開くと、そこにはさちの小さい頃からの成長をたどる写真が並んでいた。
帰り道、春男はさちの写真や栞の言葉を思い出しながら旅行代理店に入る。海のキレイな場所へ1泊の旅行を申し込み、すでにくしゃくしゃになった給料袋から代金を支払う春男。
数日後、さちのお見舞いに行った栞は春男が海に連れて行くつもりがあることを教える。喜ぶさち。
そのまま退院となり、家で従業員も呼んでのさちの退院パーティーが行われた。乾杯が終わると春男がおもむろに話を切り出した。
海へ行く話かと不安になる康史と佳奈子だが、春男は店を辞めると告げ、康史の名前が書かれた旅行申込書を差し出て店を出て行く。
春男は最初から康史に行かせるつもりだったのだ。
追いかけてきたさちに春男はわざとそっけなく「もう相手にしてられない」と告げる。泣き出すさちを断腸の思いで残し去っていく春男。
しょんぼりと道を歩くさちを見つけ驚き声をかけた栞は事情を聞く。
自分のことが嫌いになったのかとべそをかくさちに、思いがこみ上げてきた栞は…。
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