その後、片桐琢磨(玉山鉄二)、山村啓輔(温水洋一)、岩井善治(ケンドーコバヤシ)らの捜査によって、柏原には暴力が原因で離婚した妻と、26歳になる息子・直人(原田健二)がいることが判明。さらに、直人も子供に暴力を振るっており、それに悩んだ直人は“虐待サイトSOS”という相談所を訪ねていたこともわかる。サイトを運営するのは、慶政大学心理学部教授の西名亘(生瀬勝久)だった。西名は、自分を訪ねてきた絵里子に父親から暴力を受けていたことは、息子が父親を殺す動機にはならないと話す。
そんな折、今度は土木作業員・町田が殺される。柏原殺害事件と同一犯による犯行だと思われた。
衝撃的な連続殺人は捜査の遅れとともに報道され、絵里子は丹波博久(光石研)から叱責を受ける。野立信次郎(竹野内豊)が擁護するが、丹波の怒りは収まらない。
やがて、町田も子供を虐待しており、その子供もサイトを訪ねていたことがわかる。絵里子は、子供からのメールにアクセスできた西名と大学院生2人に焦点を絞り、再び大学に西名を訪ねる。絵里子が事件時のアリバイを尋ねると、西名は深夜のため自宅にいたが同居する弟とも顔を合わせていないので、それを証明できる人間はいないと答える。
その翌日、再び惨殺事件が発生。しかし、今回は現場に靴跡が残されるなど、犯人は痕跡を残していた。真実と花形は、一連の事件とは別の犯人か、と絵里子に尋ねるが、絵里子には思うところがあった。
そんな中、西名の下でサイトの管理を手伝う大学院生・増田(尾上寛之)の所持品から殺害に使われたナイフが発見された。ナイフには増田の指紋がありアリバイもないと思われたが、増田はその時間、西名の教授室にいたと答える。
増田の取り調べを見ていた絵里子は、山村と岩井に、大学に設置されている監視カメラの映像を取り寄せるよう指示。その様子を見た真実は、自分たちに何かを隠しているのでは、と絵里子に尋ねる。絵里子はまだ確証がないので詳しくは言えないが、もし、自分の推測が正しければ、一連の事件はいままでに経験したことがないものだろうと話す。
その後、監視カメラの映像を調べた結果、増田のアリバイが証明された。そして、サイトへの問い合わせメールを分析していた真実は、3件の事件には「熱湯」「離婚」「父子家庭」「閉所恐怖症」と共通する4つのキーワードがあると報告する。
後日、絵里子らはとあるシンポジウムの会場にいた。その会に出席すべく、西名もやってくる。西名は、監視されているとは知らずに会場内をどんどんと進んで行き、やがて、ある部屋のドアを開く――。部屋の中にいたのは、絵里子だった。予想外のことに驚く西名に、絵里子は手にしたナイフを下ろすよう指示。言われた西名は、「啓介」という人物にその指示を伝える。すると、絵里子が「ナイフを下ろすのはあなたよ、西名先生」と言い放った。
その瞬間、西名の視界から「啓介」が消え、西名はナイフを手にした自分を認識する。絵里子は、西名が解離性同一性障害、いわゆる多重人格で、啓介(虎牙光輝)は西名が心の中で作り出した人物だと告げる。西名と啓介は、幼少期から父親による虐待を受けていた。熱湯をかけられたり、押入れに閉じ込められたりという日々を、兄弟は寄り添い耐えてきた。しかし、30歳になった啓介は虐待の経験から立ち直れず父親を殺し、自らも自殺する。それを発見した西名は、啓介の死を受け止められずに、心の中に啓介を作り出したのだ。そして、虐待相談サイトを立ち上げ届いたメールの中から、自分たちが受けた虐待に関連する「熱湯」「離婚」「父子家庭」「閉所恐怖症」というキーワードが含まれたものに反応、それらの虐待を行っていた人物を啓介の人格となって殺害していたのだ。それに気づいた絵里子は、西名をおびき寄せるため、キーワードを入れたメールを送っていたのだった。西名は錯乱し、ナイフを拾い絵里子に襲いかかる。しかし、対策室のメンバーに確保される。
いつから西名が多重人格であると気づいていたのか――真実らに問われた絵里子は、教授室のパソコンのマウスが右から左に移動していたこと、監視カメラに映った西名が普段は不自由にしている足を普通に動かしていたことがヒントになったと明かす。多重人格では、人格が変わると利き手が変わったり、持病が消えてしまったりすることもあると説明した。
そんな頃、池上浩(丸山智己)はひとり居酒屋にいた。店員から、絵里子のことを聞かれると、最近、すれ違いになっていると明かす。そこへ、携帯に絵里子からの着信があるが、浩は電話を取らない。
一方、絵里子らが対策室にいると、野立がやってくる。大事なことを言いに来た、という野立は、あろうことか対策室に謹慎処分が言い渡されたと告げる。突然のことに絵里子は――。
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