一方の道夫(藤木直人)は、かつて勤めていた『ムラセ』のオーナー夫人・みな子(荻野目慶子)の導きで、日本を代表する総合美容チェーン『ビューティーナカヤマ』の会長・中山早苗(池内淳子)との面会をはたす。道夫の美しさだけでなく、飽くなき野望にも魅せられた早苗は、巨大美容チェーンの後継者に道夫を指名。二人は契約の口づけを交わす。
さらに早苗は、道夫にフジ子(夏川結衣)との結婚式を勧める。驚くフジ子とは対照的に、快諾する道夫。フジ子は愛する道夫との結婚に喜びを感じつつも、戸惑いを隠せない。さらに幸子のことを思い躊躇するフジ子に、道夫は「結婚するか、殺されるか、どちらかを選べ」と言い放つ。
翌日、二人は結婚式を挙げる。その記事は各紙のトップを飾った。さらに、道夫が『ビューティーナカヤマ』の後継者に指名されたことを発表したため、同じタイミングで発売された『女性回廊』の道夫の疑惑を報じる記事は、世間の注目を集めること無く不発に終わってしまう。
その数日後、青山の店にみすぼらしい様相の女性が現れる。それは、道夫が6歳のときに失踪した母・槙子(柏木由紀子)だった。余命わずかという槙子の髪を切り、フジ子とともにもてなす道夫。しかし、そんな道夫に、槙子は「あんた、やったよね」と、幸子殺しの疑いの目を向けるのだった。
そんな中、いよいよ幸子殺害事件の公判が始まる。岡野は自供を覆していたが、房江(余貴美子)は検察の威信にかけて岡野犯行説を立証するため、岡野の妻・和子(三浦理恵子)を証人として召喚する。和子の姿を見た途端、取り乱す岡野。
第一回公判後、道夫の過去について再調査していた桜田(高知東生)は、道夫とフジ子の接点に辿り着いたことを桑山に報告。二人の過去を知った桑山は、フジ子を弁護側の証人として召喚することに。証人要請の封書を受け取り、不安を感じるフジ子。さらに、槙子の病室にまで自分を探しに来た桑山に、更なる不安を募らせる。
一方、道夫は房江に銀座のバーに呼び出される。その店は、亡き雅子(室井滋)の夫・伍一郎(団時朗)が愛人にやらせている店だった。近々、再婚するという伍一郎は、雅子のことや再婚について騒ぎ立てられても困ると怪訝な顔で道夫と房江を追い返す。
帰り道、自分が疑問に思っていることを道夫にぶつける房江。雅子の死は伍一郎にとって都合がよかったのではないか。それならば、道夫に疑念を抱いても他人には言わない。しかし、幸子がそのことを疑ったとしたら、どうなるのだろうか……。岡野を起訴したものの、房江の中にも道夫への疑念が生まれていたのだ。
房江に疑われていることを知り、不安を隠せない道夫はフジ子に当たるが、そのフジ子も、「私、死んじゃおうかな」と口にするほど、不安に苛まれていた。
そして、幸子殺害事件の第五回公判当日。弁護側の証人として証言台に立ったフジ子は、桑山から佐賀時代の道夫の関係を問いつめられ、辛い過去を暴かれてしまう。房江は女性として看過できないと桑山の追求を阻止しようとするが、フジ子は自分の意志で告白を続ける。その言葉には、道夫への愛と盲従が込められていた……。
これで、フジ子が証言した道夫のアリバイの信憑性を問える。それが桑山の狙いだった。だが、フジ子は槙子の病室に寄った後、自宅に房江宛の長い手紙を残し、姿を消してしまう。同じ頃、道夫は早苗の後継者として、『ビューティーナカヤマ』グループの美容師たちの前で意気揚々とあいさつをしていた。そんな道夫の耳にフジ子が行方不明になったとの連絡が入り……!?
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