颯から知らせを聞き、病院に駆けつけた九鬼は櫻井の病室へ入った。朦朧としている櫻井は、盟と間違えて九鬼にすべてを語った。花畑を売った金を九鬼に渡し愚かな父がひれ伏してでも許しを乞うと、そして、花作りについて書き残した手帳を九鬼に渡して欲しいと頼み、良くなったら生まれ故郷に一緒に行こうと息絶え絶えに話した。意味の分からない九鬼は、盟から櫻井が本当の父親だと知らされ呆然となる。そして、櫻井は息を引き取った。
植木市では、九鬼の代わりに颯が店番をしていた。実に活き活きと口上を述べ、結構売り上げていた颯。病院から戻った九鬼は、櫻井が父親と知り自分の胸の中に秘めていた父への思い、父に言いたいこともいえなかったことなど颯に話し出した。櫻井から受け取った手帳を引き裂こうとした九鬼に、颯は遺言だと思い捨ててはダメだと言う。自分の父親は何も残してくれなかったからさみしかった……今でもさみしいと言う颯に、耐え切れなくなった九鬼は颯を抱き寄せ嗚咽する。何かが心の中で崩れていく颯は、九鬼に心を奪われたかのように……。
一方櫻井が亡くなり、アパートでは、近隣の老人たちが集まり通夜が行われた。
櫻井のお骨を、故郷の友人の住職が引き取ってくれるという連絡が入り、盟は届けることを約束した。だが、そんな時、颯が九鬼の元へ行っている、九鬼が颯を奪ったと察した盟は、怒りに震えていた。
翌日、春奈(笹本玲奈)を訪ねた盟は、無担保で900万円貸して欲しいと頼みに行き、その900万円を手に花畑へ向った。そして、九鬼に「今後、妹に手を出すな!」と900万円を突きつけた。そして、抵抗する颯の腕をつかみ車に乗せ、櫻井のお骨を届けに瀬戸内海へ向った。向こうで頭を冷やせと言う盟に、嫌だと抵抗する颯だったが……。
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