その頃、フリーカメラマンの安田博文(日野誠二)の溺死体が発見された。所轄は事故死としたが、安田は誰か大物のスクープを撮影したことが原因で殺されたのでは、とマスコミが騒ぎ始める。絵里子は、対策室の片桐琢磨(玉山鉄二)、山村啓輔(温水洋一)、花形一平(溝端淳平)、岩井善治(ケンドーコバヤシ)に捜査を指示。絵里子も、木元真実(戸田恵梨香)とともに安田の遺体発見現場へと向かう。
現場の状況は、所轄の検証どおり「事故死」と訴えていたが、絵里子は違和感を覚えていた。
絵里子に言われ、安田が撮影した大量のポジフィルムを持ち帰り分析していた真実は、10年前の6月のポジが極端に少ないことに気付く。その月の事件を調べると、都内で起こった重要事件は女子高生が被害に遭ったストーカー殺人だけだとわかる。それは、現場に偶然居合わせた報道関係者がスクープ映像として事件を報じたことが犯人逮捕につながったという事件だった。そして、その報道関係者とは、仁美だという。
やがて、安田の交友関係の中から、東郷英憲(小市慢太郎)という男が浮上。東郷は安田と口論するところを目撃されており、さらに、東郷が10年前のストーカー殺人の現場を撮影したディレクターで、仁美と一緒にスクープを撮った男であることもわかる。絵里子は、そのスクープと何者かによって持ち出されたと思われる6月分のポジ、そして、東郷、安田、仁美に接点があると推測する。
テレビ局から入手した10年前のスクープ映像を調べた絵里子たちは、そこに編集でカットされている部分があることがわかった。被害者の女性を見殺しにしてスクープを撮り続けた証拠となる部分をカットし、それを捏造と知った安田が、仁美と東郷に強請りをかけていたのではないか――絵里子からそう報告を受けた野立は、仁美と東郷を任意で事情聴取することを認める。
翌日、絵里子は真実、山村とともにテレビ局に仁美を訪ね任意同行を求めるが、仁美はニュースが終わってからにしてほしいと頼む。了解した絵里子は、スタジオの片隅で仁美を見守る。
そんなところへ、片桐らが事情を聞いていた東郷が取調べ中に死亡したという報せが飛び込んでくる。その一報は緊急速報として配信され、仁美も番組中に紹介。さらに翌日、仁美は、東郷が番組宛に送ってきたという手紙を番組中に読み上げる。それによると、東郷は捏造スクープの映像を編集しているところを安田に撮影されたため、証拠となるポジを取り戻そうとして安田を殺害した、というのだ。自らの罪を告白し命を絶ったとする内容の手紙を神妙な面持ちで読み上げる仁美に、絵里子は愕然とする。
対策室に戻った絵里子は、東郷が青酸カリ入りのカプセルを服用して死亡したとの結果を聞く。第三者が飲ませた可能性もあるが、体内に入ったカプセルは1時間程度で溶けてしまうため、その頃、スタジオで絵里子に見守られニュースを読んでいた仁美に犯行は不可能だ。しかし、絵里子は、絶対に裏があるはずだと確信する。
すると、そこへ小野田忠(塩見三省)と刑事らが来て、この事件は自分たちが引き取ると言って捜査資料を運び出す。突然のことに驚く絵里子に小野田は、近々に懲罰委員会が開かれ、そこで対策室の処分が出るだろうと言い捨てる。絵里子は、野立に事情を聞きに行くが、取調べ中に死者が出てしまったため、対処のしようがないという。
対策室のメンバーたちが呆然とする中、絵里子はただひとり捜査を続行する。翌日、対策室のメンバーたちは、野立から、絵里子が退職を覚悟して捜査を続けていることを聞かされる。やがて、絵里子が対策室に戻ると、そこへメンバーたちも捜査から戻ってきた。口々に新事実がわかったという部下たちに、絵里子は笑みをこぼした。
後日、再びテレビ局に仁美を訪ねた絵里子は、安田と東郷を殺害したのは仁美だと言い放った。絵里子は、仁美が、青酸カリのカプセルに溶けにくい加工を施し、取調べの前日に東郷が常用している薬と差し替えたことを指摘。また、安田の自宅の風呂場から発見された爪についていた皮膚のDNAが仁美と一致したことも伝える。そして、ついに、仁美は観念する。
その日の夜、絵里子は、居酒屋で池上浩(丸山智己)と会っていた。、すると、店のテレビが仁美の事件を報じ、彼女と絵里子が対談したときの映像が流れた。浩は、絵里子が商社勤務ではなく警察の人間であることを知ってしまい…。
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