解剖室を出た倉石(内野聖陽)らの目の前に心臓発作の急患が運ばれてきた。心臓マッサージも人工呼吸もやったがダメだと医師らにすがりつく患者の妻を見た小坂留美(松下由樹)はハッとなる。留美が見覚えのある女性だったのだ…。
新宿のシティホテルの一室から女性の死体が発見された。倉石を気に入らない所轄の神田(大河内浩)は病死と推理するが、倉石の見立てでは頚部圧迫による他殺。圧迫痕もなければ失禁の形跡もないが、体の大きい犯人がのしかかるようにゆっくり圧迫すれば、痕を残さず殺害することも可能だというのだ。倉石はさらに部屋にグラスが一つだけ残されていることにも不審を抱く。何者かが犯人の身元を隠すために、犯人が使ったグラスを持ち去ったのだろう。
被害者の身元が、売春や昏睡強盗での逮捕歴を持つ小夜子(小濱なつき)とわかった。自宅から大量の睡眠薬が見つかったことから、やはり小夜子は昏睡強盗を働こうとして殺害されたようだ。
留美は病院で見かけた女性、桐岡素子(あめくみちこ)のもとへ電話を入れた。かつて留美は素子の夫・洋介(須藤為五郎)が心筋梗塞で倒れたところを偶然介抱したことがあった。そのときは助かったのだが、今回は…。さすがの留美も洋介の死を知りショックを受ける。
一方、一ノ瀬(渡辺大)は文(松金よね子)に洗濯物を出す。あの夜、あわてて駆け込んできた素子とぶつかってしまい、制服の胸に素子の口紅がついてしまったのだった。その口紅の跡を見た倉石が顔色を変える。
倉石は所轄の神田らに洋介の指紋を採取しろとアドバイスする。洋介は体重112kgの巨漢、どうやら倉石は洋介が小夜子を殺害したものと思っているらしい。そんな倉石に珍しく反論する留美。だが、心臓疾患を抱えた人間が昏睡強盗の小夜子に睡眠薬を飲まされたら心臓発作を起こす可能性はある。さらに素子が夫の指示でグラスを持ち帰るなど証拠を隠滅した可能性もある。すべては指紋が出れば明らかになる、という倉石。
事件現場のホテルに残された指紋と洋介の指紋が一致した。だが、それでも素子が事件にかかわっているとは信じたくない。留美は、倉石に自分の本音をぶつけるが…。
臨場 TOPへ
タグ:臨場