一方、さちは春男と話せたことで明るさを取り戻していた。
さちが元気になったことで安心する康史(遠藤憲一)だが、佳奈子(白石美帆)はさちの絵に春男が書かれていることに不安を感じていた。
そんな中、「むらかみベーカリー」に学校にパンを大量に卸す話がきた。
だが人手不足の為、康史は求人募集を出す。
期間限定の工事現場警備の仕事を始めた春男。
すると、現場付近を偶然さちと佳奈子が通りかかった。
その場はさちに気付かれずに済んだが、佳奈子から報告を受けた康史は工事現場に春男を訪ね、パン屋の近所で働いていることを責める。
春男は翌日で現場が終わることを強く訴えつつも、去り際にはさちの様子を聞くのだった。
次の仕事を求めてハローワークに来ていた春男は、求人情報の中に「むらかみベーカリー」が載っているのを発見する。
すぐに画面を消してしまうが、ふと隣いた親子に目を向けた。
そこには幼いながらに職探しする父親を明るく励ましている子供の姿があった。
そんな親子を見ながら何か考え込む春男。
「むらかみベーカリー」では何人かの面接をしていたが、いい人材が見つからず採用を決めかねていた。
すでに学校の仕事を引き受けてしまい、康史は休日返上で働く覚悟だった。
翌週の授業参観にも行けそうになく、落胆するさちに謝ることしかできない。
そんな中、ハローワークから連絡があり、康史は近所の喫茶店で面接をすることになる。
康史が喫茶店に行くと、そこにいたのは春男だった。
帰ろうとする康史を引き止め、仕事や収入だけで人間の価値が決まるのか、父親としてちゃんとしているのかと問う春男。
一瞬言葉に詰まるものの、強がってちゃんとしていると言い切る康史。
その言葉を聞いて帰ろうとした春男を今度は康史が引き止めた。
康史は怒りの勢いで春男に面接を受けろと言ってしまう。
プレハブ小屋では、西田栞(吉高由里子)がワゴン車でワッフル販売を始める計画中だった。
春男に一緒にやろうと持ちかけるが、春男はさちに父親であることを言わないことを条件に「むらかみベーカリー」で働くことになったことを告げる。
驚く栞と勇樹(遠藤雄弥)。
同じ頃、佳奈子も康史の決定に驚いていた。
自分とさちが立派な親子であることを見せつけると意気込む康史に、佳奈子は不安を隠せない。
パン屋で働き始めた春男。
さちは春男の姿を見つけ大喜びだ。
康史は春男に近づこうとするさちをさりげなく遠ざけながら、授業参観に行けることを告げる。
喜びつつも、来るのが体育の授業であることに表情を曇らせるさち。
夕方、仕事を終えた春男が公園を通ると、さちが1人で逆上がりの練習をしていた。
戸惑いながらも練習に付き合う春男。
何度も失敗しながらも懸命に練習するさちにいつしか春男も夢中になっていた。
やがて、逆上がりに成功。
共に喜ぶ春男だが、康史を喜ばせたかったというさちの無邪気な言葉に複雑な思いになる。
翌日、康史が見つめる中、さちは見事に逆上がりを成功させた。
さちと康史が満面の笑顔で見つめ合っていた頃、春男はパン屋で黙々と仕事をこなしていた…。
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