ガラス越しに店内を覗くと黙って去っていく春男の姿を見て、高村佳奈子(白石美帆)は怯えるが、村上康史(遠藤憲一)は50万円入った封筒を手に春男を追いかける。
康史と対峙した春男は再び真理子(紺野まひる)に渡っていたはずの800万円の行方を問うが、知らないと言い張る康史に、春男は封筒を受け取らず去っていく。
翌朝、パン屋の店先にバス停のポールが置かれていた。
春男の嫌がらせだと察し、警察に届けようという佳奈子を止め、バス停を戻しに行く康史。
昼、1人で遊んでいたさちの前を春男が通りかかる。
親しげに話しかけてくるさちをあしらって歩く春男だが、なぜかさちは後を付いてくる。
公園内にある小さな山に座り、昔、真理子とここへ来たことを思い出していた春男の隣にはさちが座っていた。
やがて、春男のお腹の音を聞いたさちは持っていたパンを差し出す。
貪るように食べた春男は翌日もパンを持ってくるように命令する。
そんな春男を怖がる様子もなく、約束すると小指を出すさちに2人は指きりをする。
雑居ビルの屋上にあるプレハブでは、西田栞(吉高由里子)と小島勇樹(遠藤雄弥)が山積みの商品の入ったダンボールを前に注文メールをひたすら待つだけの時間を過ごしていた。
しかし、商品は勇樹がチンピラにつかまされたインチキ商品であることが発覚。
栞は勇樹を怒りながらも、ふとネットカフェで会った春男を思い出していた。
安岡竜也(デビット伊東)の口利きで、ゲームセンターの奥にある倉庫のような場所で寝泊りができることになった春男だが、夜中になると今度は地蔵をパン屋前に運んでいた。
翌日、学校から帰ってきたさちが店にやってきた。
みつからないようにそっとパンに手を伸ばしポケットにしまおうとすると、その手を佳奈子がつかんだ。
康史と佳奈子にパンを取ろうとした理由を聞かれるも、さちは春男との約束を守り口を閉ざした。
その夜、春男が康史に電話をしてきた。
康史は春男を近所の空き地に呼び出すと、1枚の寄せ書きを見せる。
そこには真理子の字で康史が自費で店を出したことがわかる一文が記されていた。
愕然とする春男に康史は新しい生活を始めるようにと再び封筒を差し出すが、春男はそれを拒み去っていく。
呆然と街を歩く春男は、いつしか公園の小山に向かっていた。
真理子を傷つけたあげく、命を救えなかった事実に涙を浮かべる春男。
すると、突然さちが声をかけてきた。
さちは約束とパンを差し出し、叱られるからと急いで帰っていく。
さちが届けてくれたパンをみつめながら春男は涙を流し・・・。
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