2010年03月25日

臨場 TOP

『臨場』(りんじょう)は、横山秀夫による日本の警察小説、及びそれを原作としたテレビドラマ。

「終身検視官」の異名を取る警察官が主人公の、全8編の短編小説。全作とも『小説宝石』(光文社)に掲載された。タイトルの「臨場」とは、警察組織において、事件現場に臨み、初動捜査に当たること。

上農ヒロ昭作画で漫画化され、『週刊漫画TIMES』(芳文社)に連載された。


テレビドラマ
第一章が2009年4月15日から6月24日までテレビ朝日系列の水曜21時からの刑事ドラマ枠で放送された。当初は単発シリーズの予定だったが大好評だったため、『相棒』、『警視庁捜査一課9係』に次ぐ水曜21時刑事ドラマ枠のレギュラーシリーズ化が決定した。2010年4 月7日から6月23日まで放送された続章は、単行本未収録の作品と原作をベースにしたオリジナル脚本で製作されている。また、続章では同ドラマ枠の作品では初めて、シネライクガンマにより映画フィルム調の画質にした映像が全編で使用されている。

第一章のキャッチコピーは「お前の人生、根こそぎ拾ってやる」。
続章のキャッチコピーは「あの「臨場」が、倉石が帰ってくる」。


原作との主な相違点
* 倉石たちの所属する警察本部がL県警から警視庁に変更されている(そのため警視庁刑事部長の小松崎がノンキャリアであるなど、現実に即さない部分も出ている)。

* 原作の倉石は52歳で若い頃に離婚しているが、ドラマでは45歳(第1シリーズ時点)で、妻・雪絵とは死別した設定に変更されている。また原作の倉石にはガーデニングや家庭菜園の趣味はない。

* 原作では「赤い名刺」「鉢植えの女」に登場の一ノ瀬が、ドラマでは倉石の部下としてレギュラー出演。また、原作では41歳で既婚だが、ドラマでは 32歳(第1シリーズ時点)・独身という設定に変更されている。

* 原作では「黒星」のみに登場する交通企画課の婦警・小坂が、ドラマでは倉石の部下で鑑識課検視官心得でヒロインという設定でレギュラー出演し、年齢も31歳から39歳(第2シリーズ時点)に変更されている。そのため第1シリーズ第8話で町井春枝と国広久乃が警視庁を退職したのが、原作での10年前から15年前に設定が変更されている。

* 原作で「餞」のみに登場の小松崎がドラマではレギュラー出演(第1シリーズ)している。

* 原作で「眼前の密室」のみに登場の花園愛が警視庁詰め記者としてレギュラー出演(第1シリーズ)している。

* 「声」で梨緒の魅力に取り付かれていたのは原作では検事と検察事務官だったが、ドラマでは梨緒が勤める出版社の副編集長と梨緒に引き抜き話を持ちかけたライバルの出版社の編集長。梨緒をレイプしたのは原作では短大の講師だったが、ドラマでは母親の再婚相手。

* 原作で永嶋が喪ったのは恋人の朱美だったが、ドラマで彼が喪ったのは父の善三。また、ドラマの永嶋に逮捕歴は一切ない。


キャスト
警視庁
倉石義男:内野聖陽
45歳→46歳。刑事部鑑識課検視官(警視)で、同課の倉石班班長。18年前の通り魔事件により妻の雪絵を亡くしている。雪絵の死後は彼女の趣味を受け継ぎ、自宅やデスクで多くの植物や花を育てている。また家庭菜園で採れた朝摘みの野菜を現場に持ち込んだり、文や「かくれんぼ」に差し入れしている。さらに続章では2匹の金魚の面倒を見ている。
検視に関しては『死者の人生を、根こそぎ拾ってやる』事を信条とし、同僚の小坂・一ノ瀬・永嶋にも検視官の心得として都度言っている。見立てには絶対的な自信を持っており、捜査一課の意見が自分と異なると「俺のとは、違うなあ」と言って意見を否定する。ただ、第一章第8話の様にわざと見立てを外すこともある。
口癖は『拾えるものは、根こそぎ拾ってやれ』。

小坂留美:松下由樹
38歳→39歳。刑事部鑑識課検視補助官(巡査部長)→刑事部鑑識課検視官心得(警部補)。本作のヒロイン。検視補助官時代は検視官専用車の運転手を務めていた。鑑識課に配属される前は交通機動隊の白バイ隊員だった。鑑識課へ配属されてからは倉石を尊敬し、彼のような検視官を目指している。そのためには体力を付けることが必要と思い込み、ダンベルで身体を鍛えている。
一ノ瀬の異動にともない、続章第6話で検視官心得(警部補)に昇進。検視補助官として新たに配属された永嶋の教育係も勤めている。

一ノ瀬和之:渡辺大
32歳→33歳。刑事部鑑識課検視官心得→刑事部捜査一課刑事(警部補)。一流大学卒の準キャリアで、同年代の警官のなかでは出世が早い。立原に将来を見込まれて鑑識課に配属される前は、警視庁東上野署刑事課強行犯捜査係に所属していた(階級は巡査部長。第一章第2話で登場する名刺から判明している)。
立原からの誘いを受け、続章第5話で捜査一課に異動。

永嶋武文:平山浩行(続章第3話 - )
31歳。世田谷南署地域課→刑事部鑑識課検視補助官(巡査長)。小学生の時に母親を病気で亡くし、大学教授だった父親・善三は16年前に殺害された。
10代の頃は有名なチーマーだったが、父を殺した犯人を逮捕するべく警察官になった。しかし『改心組』と揶揄され、様々な部署を転々とするうちに事件は時効を迎え、仕事に対する情熱も失いかけていた。鑑識経験も全くない彼が、一ノ瀬の代わりに続章第6話で交番勤務から鑑識課に着任できたのは、彼の現状を知った倉石が独断で彼を引き抜いたからである。鑑識課着任後は、小坂に代わって検視官専用車の運転手を務めている。

矢野間文:松金よね子(第一章)
58歳。クリーニング店「勉強堂」の店主。マッサージが上手。

坂東治久:隆大介
52歳→53歳。刑事部捜査一課刑事(警部補)。立原の部下。倉石の横柄な言動にキレることがある。一ノ瀬の捜査一課着任後は彼の教育係となっている。

江川康平:辻谷嘉真
31歳→32歳。刑事部捜査一課刑事。立原の部下。キレた坂東の抑え役。

小松崎周一:伊武雅刀(- 第一章第9話)
60歳。刑事部長(警視監)。3歳の時に小松崎家の養子となる。毎日のように本庁の食堂で食べているカレーライスが大好物だが、それは幼い頃に生き別れた実母との唯一の思い出につながるものであった。
第1シリーズ第9話で定年を迎え退官。

五代恵一:益岡徹(続章第1話 -)
50歳。小松崎の後任の刑事部長(警視監)。自ら事件現場に赴き、初動捜査の指揮を執ることもある。問題ばかり起こす倉石に『一度でも見立て違いをしたら切る』と伝えている。
庁舎内の理髪店でしょっちゅう髭を剃らせており、その最中に立原や倉石の報告を聞くことが多い。

立原真澄:高嶋政伸
45歳→46歳。刑事部捜査一課管理官(警視)。倉石とは同期で、捜査方針を巡ってしょっちゅう対立するが、その実力は認めている。
18年前、雪絵が殺害された通り魔事件の捜査で陣頭指揮を執っていたが、小松崎から昇任の推薦を受け、試験を優先させるために途中で捜査から外れた。倉石に犯人の逮捕を誓いながらも、その後に事件が時効を迎え、事件を解決することができなかったことから、倉石に対し負い目を感じている。

新日新聞記者クラブ
花園愛:金子さやか(第一章)
26歳。「新日新聞」社会部の契約社員。警視庁詰め記者。最終話で本社への異動が決まった。

赤塚渉:橋爪淳(- 第一章第4話)
47歳。「新日新聞」社会部デスク。警視庁詰めキャップ。第1シリーズ第4話に起きた事件で逮捕された。

その他
早坂真里子:伊藤裕子
38歳→39歳。倉石の義妹(雪絵の妹)。バー「かくれんぼ」のママ。

西田守:小林勝也
60歳→61歳。城南医科大学法医学教室教授。「かくれんぼ」がお気に入り。倉石とは気が合う。

倉石雪絵:京野ことみ
倉石の亡妻。ガーデニングが趣味。18年前に起きた通り魔事件で殺害された。


スタッフ
第1シリーズ(第一章)
原作:横山秀夫(『臨場』光文社文庫)
脚本:佐伯俊道、坂田義和、尾西兼一、吉本昌弘、岩下悠子
演出:橋本一、猪原達三、伊藤寿浩
音楽:吉川清之
プロデューサー:佐藤凉一(テレビ朝日)、目黒正之・横塚孝弘(東映)
制作:テレビ朝日・東映

第2シリーズ(続章)
原作:横山秀夫(『臨場』光文社文庫)
脚本:佐伯俊道、坂田義和、尾西兼一 ほか
監督:橋本一、藤岡浩二郎、石川一郎
音楽:吉川清之
プロデューサー:佐藤凉一(テレビ朝日)、目黒正之・横塚孝弘(東映)
制作:テレビ朝日・東映

エンディングテーマ
* 続章:平原綾香「威風堂々」(ドリーミュージック)


第1シリーズ 各話あらすじ(2009.4.15 - 2009.6.24)全10話 平均視聴率14.48%

第1話 2009年4月15日「鉢植えの女」

第2話 2009年4月22日「赤い名刺」

第3話 2009年4月29日「真夜中の調書」

第4話 2009年5月6日「眼前の密室」

第5話 2009年5月13日「Mの殺人」

第6話 2009年5月20日「罪つくり」

第7話 2009年5月27日「ユズリハの家作られた不自由な死」

第8話 2009年6月3日「黒星」

第9話 2009年6月17日「餞〜はなむけ」

第10話 2009年6月24日「十七年蝉」

第1シーズン各話視聴率


第2シリーズ


各話あらすじ(2010.4.7 - 2010.6.23)全11話 平均視聴率 17.57%

第1話 2010年4月7日「封印〜前編」

第2話 2010年4月14日「封印〜後編」

第3話 2010年4月21日「未来の花」

第4話 2010年4月28日「似顔絵」

第5話 2010年5月12日「カウントダウン」

第6話 2010年5月19日「濡れ衣〜ガラス片の中の真実」

第7話 2010年5月26日「声〜割れた鏡に女性記者の秘密!?」

第8話 2010年6月2日「証言〜パパがママを殺した!!」

第9話 2010年6月9日「傘〜渡された雨の夜の殺人!!」

第10話 2010年6月16日「最終章 渾身〜前編」

最終話 2010年6月23日「最終章渾身〜閉じられた備忘録」

第2シーズン各話視聴率


番組公式HP テレビ朝日|臨場へ
 臨場 - Wikipediaへ

タグ:臨場

『臨場 TOP』の上へ

『ドラマハンティングP2G』のトップへ

posted by Dhunting | Comment(0) | TrackBack(0) | 各ドラマTOPページ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
ドラマ/アイウエオ順検索