3人が自室にこもる権藤に挨拶を済ませ、茂木刑事(戸次重幸)、権藤の妻・美佐子(宮田早苗)、秘書の小宮山(飯田基祐)、お手伝いの吉田(片岡富枝)と食事をしようとしたその時、窓越しに権藤の異変を発見した庭師の木島(春海四方)の悲鳴が響き渡る。六郎らは慌てて部屋へ駆けつけるも、権藤はロープで首を吊りすでに息絶えていた。別荘の出入り口には警報機が設置されており外部からの侵入者がなかったことや遺書があったことから自殺と断定する大田原だが、六郎は異論を唱え33分もたせると宣言する。
かなり強引な仮説とまったく根拠のない美佐子との不倫疑惑を訴え小宮山に容疑をかける六郎だが、案の定、小宮山に一蹴されてしまう。六郎たちが情報収集に方々に散っていた頃、小宮山は誰かに電話で権藤の死を報告、美佐子は周囲をうかがいながら1人倉庫に忍び込み隠すように置いてあったロープを見つめていた…。
そんな中、大田原が絶妙なバランス感覚を持つ漁師から木島は元エリートだったが権藤によって別荘番にさせられたという情報を得た。それらを踏まえ六郎は木島がペットの犬のゴローや九官鳥にもはや芸の域を超えたビックリ芸を教え込み、それらを巧みに操って権藤を自殺にみせかけて殺したと推理。しかし、木島は権藤を恨むどころか感謝していた。
捜査が振り出しに戻り、鑑識を訪ねた六郎。いつものようにアイ(野波麻帆)に奇妙な実験をしていた鑑識官(佐藤二朗)は使用されたロープの強度が弱いこと、そしてロープから吉田の指紋が検出されたことを告げる。さらに、情報屋(小島よしお)から権藤を疎ましく思っていた社員がいることを聞いた六郎は別荘へ戻り一同を集めた。
ロープに残っていた指紋から吉田を逮捕しようとする大田原を止め、太いロープを美佐子に突き出す六郎。それは美佐子が倉庫で見つめていたものだ。六郎は、美佐子がこれで権藤を殺すように頼まれていたことを見抜く。素直に認めた美佐子を逮捕しようとする大田原。しかし六郎がまたしても止め、依頼したのは権藤本人だったことを暴く。社員に疎まれていることを感じた権藤は美佐子にロープで殺してくれと依頼。美佐子はそれを断ってロープを隠しただけだった。つまり、権藤はやっぱり自殺。六郎はそれを堂々と発表し、事件は解決をむかえた。
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