一方、熱を出して倒れていた理人は、ルチア(山田優)の看病もあって回復する。ルチアの執事・忍(向井理)は、そんな理人に、本郷家から連絡があったことを伝えた。
あくる朝、メイと剣人の前に、理人が現れる。そこで理人は、本郷家からの通達をメイに告げる。それは、1週間以内に聖ルチア女学園に戻らなければ学費の支払いを停止するというものだった。同時に、今後は本郷家との関わりを絶ち、財産分与等の権利も放棄せよ、という。理人の用件がそれだけだと知ったメイは、悲しみを堪えながら、何も言わずにその場を後にした。
報告を受けた本郷家当主・金太郎(津川雅彦)は、ルチアのもとに戻るよう理人に命じた。柴田家の執事は、本郷家の後継者に仕えるのが慣わしなのだ。理人は、動揺を抑えながら、それを受け入れた。
メイが仲本家に戻ると、そこに泉(岩佐真悠子)やリカ(大政絢)たちの姿があった。聖ルチア女学園時代のクラスメイトとその執事全員で、メイを連れ戻しにきたのだ。リカは、何故理由も言わずに学園を辞めたのか、とメイを問いただした。口ごもるメイに代わって話を切り出したのは剣人だ。メイがルチアから嫌がらせを受けていたことや、クラスメイトに危害を加えると脅されたことを明かす剣人。ルチアの本性を知る泉やみるく(吉田里琴)は、その話が真実であることを皆に告げた。その際、理人がルチアの執事に戻ったことを知ったメイは、急に不機嫌になり、迎えに来て欲しいとは頼んでいない、と強がって泉たちを追い返そうとする。リカたちと言い争いになったメイは、自分はここで剣人と上手くやっている、とつい言ってしまう。
あくる朝。剣人は、約束の2時間も前からメイが来るのを待っていた。そこに、沈んだ表情でメイがやってきた。剣人は、無理やりテンションを上げ、そんなメイを多目的公園に連れて行く。
メイたちは、園内のさまざまな場所を訪れた。剣人の気遣いもあって、次第に笑顔を取り戻していくメイ。剣人は、意を決してメイの手を握った。メイは、小さく驚いたようすだったが、その手を振りほどこうとはしなかった。変装してふたりの後をずっとつけていた不二子(中別府葵)や凛(忽那汐里)、みるくらは、その姿を見つめて…。
仲本家に戻ったメイは、クラスメイトたちがメイのために寄せ書きした紋章入りの色紙に気づく。が、皆の気持ちを受け止めることができず、途中で読むのをためらうメイ。と、そこに、いきなりローズ(堀内敬子)と執事・桜庭(鈴木浩介)が現れた。
同じころ、多美(谷村美月)は、理人に写真を見せる。それは、メイと剣人が手をつないで歩いている写真だった。
泉たちは、太陽生たちを怒らせた罰として、全員、陰<オンブラ>ランクへの降格を命じられていた。根津(姜暢雄)や木場(夕輝壽太)ら執事たちは、理人を呼びだし、何故メイを迎えにいかないのか、と問いただした。本郷家に仕えることが執事としての仕事だ、と苦しそうに答える理人。青山(真山明大)は、そんな彼に対して、「俺たちはいまのお前を認めない」と言い放った。
仲本家に居座っていたローズは、アルバイトから戻ったメイのためにうどんを打った。それは、メイの両親が作ったうどんに似た味だった。ローズは、驚いているメイに、彼女の母親・ユウの話を始めた。実は、ローズとユウは、聖ルチア女学園の同級生で、親友同士だったというのだ。ユウは名門・東雲家の令嬢だったが、東雲家が事業に失敗し、何もかも失って学園にもいられなくなったのだという。そんなユウがひとつだけ手に入れたのは、メイの父・周太郎だった。ユウは、許婚がいるにもかかわらず、周太郎への思いを諦めなかった。その思いが通じ、周太郎は、本郷家の地位も財産も捨ててユウと生きる道を選んだのだ。戦う意思のないものに幸せはめぐってこない――ローズは、以前、メイに告げた言葉を再び口にした。
理人が教室で本を探していると、そこに忍が現れた。忍は、苦しみから逃げた理人をあざけり、腰抜け呼ばわりした。しかし理人は、何も言い返すことができなかった。
剣人は、買い物袋を下げたメイと歩いていた。が、剣人が何を話しても、心ここにあらずのメイ。立ち止まった剣人は、お前はどこにいて誰と話しているのか、と問いかけた。
「今のお前、俺の知ってるメイじゃねぇよ。俺の好きなメイは…」
剣人は、悔しそうにそう言って、ひとりで帰ってしまう。
その夜、理人は、空き部屋になったメイの部屋で彼女のことを思っていた。
同じころ、剣人も、砂浜で海を見つめながらメイのことを考えていた。倒れるように砂浜に寝転ぶと、「どうすりゃいいんだよ!」と叫ぶ剣人。しばらくそのまま動かなかった剣人は、ふいに起き上がり…。
その翌日、強い決意を秘めた表情で聖ルチア女学園を訪れた剣人は、理人と対峙する。剣人は、ちゃんと決着をつけなければ、メイの中にいる理人も、理人の中にいるメイも消えない、というと、いきなり理人に殴りかかった。泉やリカは、ふたりの争いを止めようとした。それを制したのは、青山と木場だった。
剣人は、一方的に理人を殴りつけていた。
「お前なんかにメイを渡してたまっかよ!」
剣人は、倒れている理人にそう叫んだ。次の瞬間、理人の目に強い光が戻った。
理人は、剣人の攻撃をかわし、彼を殴り飛ばした。2階でそのようすを見ていた多美は、不機嫌そうな表情で立ち去ろうとした。神田(阿部進之介)は、そんな多美の腕をつかんで止め、メイに対する理人の思いを見届けるよう告げた。
メイは、みるくの操縦するヘリで学園に駆けつけた。メイの目の前で激しく殴りあう理人と剣人。ローズは、思わず目をそらしてあとずさるメイに対して、ふたりの姿をちゃんと見るよう命じた。
理人たちは、傷だらけになってもなお戦いを止めようとはしなかった。剣人は、理人の一撃を受け、フラフラになりながらも踏みとどまり、尚も前に出ようとした。が、そのまま前に崩れ落ちる剣人。それを受け止めたのは理人だった。剣人は、理人に抱きかかえられながら、「負けられねぇんだよ、俺は…」と声を振り絞った。「…俺もだ」理人は、そう剣人に告げ…。
剣人は、倒れこんだまま泣いていた。
メイは、ローズから、学園に戻るかどうか、尋ねられた。理人は、何も答えずにいるメイの前まで歩み寄ると、「もう二度とメイ様のそばを離れません。私は、メイ様の執事ですから…」と告げた。片膝をつき、メイに手を差し出す理人。メイは、その手にそっと自分の手を重ね…。
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