加地大己(瑛太)は、久保秋佳奈子(石原さとみ)とともに、佐川文彦(時任三郎)と夏井川玲子(矢田亜希子)の解剖を手伝いながら、ベテラン作業員の宇野がなぜ落下したのかを考えていた。
そして、解剖終了後、佳奈子を連れ宇野を知る人々を訪ねる。すると、多額の負債を抱えながらも宇野は、周囲からの信頼の厚い人物だったとわかる。そんな中、宇野の妻・真由美(中島ひろ子)は、夫の人柄を評しながらも、借金返済のためにも早く保険金が下りて欲しそうなそぶりを見せる。
同じ頃、実験室で桐畑哲平(遠藤雄弥)とともに薬毒物検査を行っていた蕪木誠(泉谷しげる)は、宇野の血中から意外な成分を検出する。
実家の病院でアルバイト中の石末亮介(生田斗真)は、入院患者に桜井真也(田村亮)という有名作家がいることに興味を示す。桜井は末期の大腸がんだが、容体が安定してきたため一時帰宅が許可される。ところが、そんな矢先、容体が急変し、桜井は死亡してしまう。桜井の妻・瑠美子(麻生祐未)は、納得がいかないと主治医・梅木(福井博章)に詰め寄る。間に入った亮介の父で院長の貴之(名高達男)は、病院は適切な治療を行って来たが桜井が予想外に腸閉塞から腹膜炎を起こしたことが死因となったと説明する。
研究室に戻った大己は、哲平と羽井彰(佐藤智仁)から、佳奈子がアメリカ研修の面接に合格していたことを聞く。盛り上がるふたりに対して、佳奈子は大己を意識しながらもクールに振舞う。
一方、亮介は、何かに引っかかりを感じ桜井のカルテを確認。そこに数日前とは明らかに違う筆跡での書き込みを見つける。
亮介が大学に戻り、研究室に5人が揃った頃、宇野の血中から睡眠薬の成分が検出されたと明かされる。濃度から見て落下する直前に飲んでいることと状況証拠から、宇野は自殺と診断されるという。そんなところへ、佐川を訪ねて真由美がやってくる。真由美は、夫は作業中の事故で亡くなったと主張するが、佐川は事故と判断するのは極めて難しいと説明。すると、真由美は、解剖により自殺とされたことで保険金が下りないのだと絶望したように話す。そして、夫が借金返済のために自ら命を絶っていたとしたらその覚悟は無駄だったのか、夫は何のために死んだのか、と涙ながらに訴える。
解剖で真実を明かすことが、時として遺族を苦しませることになる――。突きつけられた現実に、亮介らの気持ちは揺らぐ。そんな中、大己は法医学は遺族に喜んでもらうためではなく、亡くなった人の最後の声を繋ぐためにあるのではないかと、語りかける。
そして、大己は、佳奈子、哲平、彰と再び宇野の落下現場である高層ビルへ。すると、そこに、宇野の息子・稔彦(竹内寿)が花を手向けに来るが、稔彦は父親は、家族を置いて借金を残して自殺したんだ、と蔑むように話す。大己は、分からないことがあると言うと、稔彦を連れビルの屋上へ。そして、側面の窓に不自然な窓の拭き残しがあるのに、飛び降りた側の窓はすべて拭かれていたことを告げる。すると、稔彦は飛び降りた側から遠くのビル群を見つめ、周囲で一番高い駅ビルを指差す。それは、以前、宇野が窓拭きを任されたビルで、それが嬉しかった宇野は、その最上階のレストランに家族を招き食事をしたことがあったという。宇野は、そのビルを眺め楽しかった家族の思い出をかみ締めながら、身を投げたのではないか、と大己は思いつく。そして、自殺はしてはならないことだが、宇野に家族への深い思いがあったこと、その思いは解剖し本当の死因が明らかになったからこそわかったのではないか、と稔彦に語りかける。その言葉は、佳奈子らの心にも響く――。
その頃、亮介は病院で見かけた瑠美子に声をかけると、自分も桜井の死に疑いを持っていると明かす。父親を疑うのは怖いことだが、自分に失望しないためにも桜井の死をあやふやなままにしたくないと亮介。そして、瑠美子に桜井の遺体を解剖しないか、と切り出す。
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