視力の異常を訴える遠峰一青(田辺誠一)に医者が告げる
「ワインはお控えください」
「このままでは失明の可能性もあります」
一方、神咲雫(亀梨和也)は紫野原みやび(仲里依紗)に次の勝負への意気込みを語っていた。元気になった雫の様子を喜ぶみやび。
屋敷の書斎では霧生(戸田菜穂)が神咲豊多香(古谷一行)の遺影に問いかけていた。
「本当にあの二人がアナタを超えられるとお考えなのですか?」
遺言を読み上げる霧生。
「このワインは、悩める者に沈黙を持って応えてくれる」
「弥勒菩薩半跏思惟像―光をまとったその姿は、厳かでありながら、慈愛にみちあふれている」
遺言を読む途中で霧生が、言葉をつまらせる。
ロベール(竹中直人)だけは、その異変を見逃さなかった。
太陽ビール・ワイン事業部では、長介(田口浩正)達も一丸となって、
「悩める者の暗闇に光を照らす存在」である「第五の使徒」探りが始まる。しかし雫は、自分の知っている父は、暗闇で孤独を感じたりしている人ではなかったと感じて戸惑う。
「親父にとっての暗闇って何だったのかな?」
モノポールで、使徒探しのヒントのために、豊多香の著書を持ってくるみやび。雫は、にそれらの本がワイン通のバイブルになっていることを聞かされ、また一つ知らなかった父の姿を知らされるのだった。するとみやびが、その中の一冊のあとがきに、使徒探しのヒントになる一文をみつける。
「暗闇の中にいた私は…その店で…慈愛にみちあふれた光に照らされた」
しかしその店の名前はわからない。雫は本に載っている100軒もの店の中から、その店を探し出そうと決意する。無謀な雫の決意に最初は戸惑っていたみやびも、手伝って探すことに。
神咲豊多香ゆかりの店を訊ねることは、雫にとって、自分の知らない父の姿を知る旅となってゆく。晩年の豊多香は、ある時期から一人ぼっちでいくつもの店を訪れていたらしい。その時期とは、4年前の秋―。
雫の二十歳の誕生日でもあり、父の裏切りを知った日、そして父との縁を切ろうと決めた時でもあった。父が晩年孤独だったことにショックを受けていた雫だが、そのことに自分が関係していると感じ、さらに落ち込む。霧生を訪れ「父は孤独だったのでしょうか?」と聞くが、
「アナタは神咲先生のことを何もわかっていない」と言われてしまうのだった。
一方、一青は、闇がかった視界に問いかけていた。
「貴様は神か、悪魔か。たとえ悪魔だとしても私は怖れない」
しかし、グラスを手にしたものの、ワインは口にすることができない。
そんな苛立ちを感じていると、目の前に雫が現れた。晩年の父は孤独だったー。そんな父が、アナタと孤独の理由を作った自分とを、戦わせようとしたのはなぜなのか? 雫が問うが、一青は冷たく言い放つ。
「たまたま実の父が神咲豊多香だったにすぎない。彼が孤独だろうと、何だろうと私の知ることではない」
そして一人になった一青は、グラスを手に取り決意する。
「たとえ貴様が悪魔だったとしても…この身を捧げようではないか」
マキ(内田有紀)がセーラ(佐々木希)一青の異変を話す。
「そんなにストレスだったのかしらね。神咲雫と兄弟というのが」
二人が兄弟? 初めて知った事実に驚くセーラ。マキが面白そうにセーラの顔を見る。
事業部の一同も合流し、第五の使徒のヒントが隠されている店を引き続き探す雫とみやび。そしてついにとあるレストランに出会う。
しかし、そこで雫は、豊多香が店に預けていたというあるものを見て驚くのだった―。
失明の危険をかけてまで、悪魔に身を捧げる決意をした一青は、果たしてどうなってしまうのか? そして雫が出会ったレストランに隠されていた意外な真実とは?
遺言に記された「暗闇」「孤独」「光」…
「第五の使徒」をめぐる謎は、予想外の結末に!
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