2009年02月15日

妄想姉妹〜文学という名のもとに〜 第6話

草太郎(田中哲司)の死の謎とは、晶子(吉瀬美智子)、藤尾(紺野まひる)、節子(高橋真唯)の母親は一体誰なのか―。3人は、手っとり早く草太郎の作品の中にヒントが隠されている可能性を話し合った。しかし、草太郎の作品の傾向を考えた3人の期待は、あっさり打ち砕かれた。草太郎は、既存の文学における私的リアリズムを否定した、いわゆる“無頼派”のひとり。常々、私小説を恥だと言っていた草太郎が、作品の中に自身の体験を書くはずはない。つまり、手紙に指定した秘密書庫の本を順に読み進めるしかないのだ。

 そんな3人が次に手にした6冊目の本は、無頼派の旗手・坂口安吾の『白痴』だった。作品の舞台は、太平洋戦争末期の東京の一軒家。主人公の伊沢(松尾敏伸)は、空襲でいつ死ぬかもしれない状況下、隣家に住む白痴の女を自分の家に囲うことになるのだ。本を手にした節子は、たちまちその中にのめり込んでいった。

 空襲の危機が迫る中、帰宅した独身会社員の伊沢は、押入れに隣家の若い白痴の女・オサヨ(高橋真唯=二役)が潜んでいることに気付く。隣家の住人がすでに避難したと知った伊沢は、オサヨへの肉欲に耐えながら、世話を始める。やがて、白痴のような幼く素直な心が自分に必要だと考えた伊沢は、オサヨの肉体にのめり込む。そして、空襲の音が近づく中、2人は、愛欲に溺れて行くのだ。

 本を読み終えた晶子らの話は、白痴のように真っ白で、何色にでも染まるこの女が誰か、ということになった。この“白痴”の女は、自分たちの個性的な母親たちとは全く掛け離れている。3人は、ひょっとすると、自分たちの母親以上に、草太郎に強い影響を与えた女がいたかもしれない、と考えて・・・。


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