ルチアは、そんなメイに、優しい微笑みを向けながらある提案を持ちかける。それは、自分が本郷家を継ぐことになったら、メイの両親の遺骨を同じ墓に入れる、というものだった。そうすれば、メイも無理をして聖ルチア女学園で生活をする理由はない、というのだ。一番いい選択は何かを考えてほしい、とルチアに言われたメイは、激しく動揺していた。
あくる朝、登校したメイの前に、慌てたようすで剣人(佐藤健)が駆け寄ってくる。メイのせいで、泉(岩佐真悠子)が聖ルチア女学園を退学させられる、という噂話が流れ、生徒たちが殺気立っているというのだ。メイが入学して以来トラブル続きだったため、泉が太陽<ソーレ>の上級生たちに睨まれた、ということらしい。不二子(中別府葵)や凛(忽那汐里)らは、メイを取り囲んで責めた。その輪に割って入ったのはリカ(大政絢)だった。リカは、メイには竜恩寺家の次期当主である泉を退学に追い込むほどの力はないと憎まれ口をたたきながらも、噂話に振り回されるのは時間の無駄、と主張して皆を抑え、メイを助けた。
泉のことが気になったメイは、彼女の執事を務める木場(夕輝壽太)から事情を聞いた。そこで木場は、泉が竜恩寺家の次期当主ではなくなったことを告白した。4年前に竜恩寺家に嫁いできた泉の義母・都(山口香似「)から、都が生んだ子・新之介が次期当主になることが親族会で決まった、という連絡があったらしい。泉は、その決定を受け入れ、学園を辞める決意を固めていた。さらに泉は、木場を竜恩寺家に返し、とある財閥の会長と政略結婚させられるらしい。
泉は、当主の座を失うことよりも、執事の木場と引き離されることに心を痛めていた。そんな泉に接触した忍は、望むことがあるのならばルチアに願い出ればいい、と告げる。ルチアの力があれば、俗世間のことなど思いのままになる、というのだ。忍は、その代わりとして、ある条件を泉に提示する。
一方、木場は、メイやリカたちクラスメートに土下座までして、泉を助けてほしい、と懇願する。その姿を見かねた理人は、それぞれ立場があるのだから竜恩寺家の問題に口出しできるわけがない、と木場に告げた。執事が感情に流されるのはみっともない、と続ける理人。その言葉に反発したメイは、木場に協力を申し出る。
するとそこに泉がやってきて、いきなりメイに決闘<デュエロ>を申し込んだ。メイに負けた場合はどんなことでもひとつだけ指示に従うが、自分が勝った場合はメイにこの学園を去ってもらう、というのだ。理人は、このデュエロには意味がないのではないか、と泉に告げた。すると泉は、このデュエロに勝てば学園に残すとある方が約束してくれた、と言い出す。
しかも、今回は、執事同士ではなく、自分たちが戦うというのだ。
泉の勝手な申し出に反発した剣人は、こんな勝負に付き合う必要はない、とメイに告げる。が、理人は、このデュエロを受けるようメイに進言すると、勝負の方法はこちらが決める、と泉に申し出る。
陰<オンブラ>寮に戻ったメイは、勝手に勝負を受けた理人に反発した。しかし理人は、メイならば泉を救えるはずだと信じ、説得する。そこでメイは、ルチアが両親の遺骨を同じ墓に入れると約束してくれたことを理人に話した。学園にいる理由もお嬢様を目指す理由ももうない、と告げ立ち去ろうとするメイ。理人は、とっさにメイの腕を掴むと、真剣な表情でこう訴えた。「私には理由があります。メイ様にお仕えしたいという理由が」と…。
あくる朝、メイが目を覚ますと、そこに理人の姿はなかった。理人は、メイの朝食とデュエロで着る服を用意して、出かけたのだ。しかしメイは、デュエロの準備をしようとはせず、寮を出て散歩に行ってしまう。
湖のほとりに出たメイは、そこで理人のことを思い出す。出会った日のこと、リカとのデュエロのこと、調理実習でのこと、そして、雨の中で戦う決意をした日のことを…。
同じころ、ある目的があって外出した理人の前に、忍が現れる。忍は、何をやってももう無駄だ、と理人に告げた。忍は、今回のデュエロで何かを画策しているようだった。
メイのクラスでは、すでにデュエロの準備が整っていた。今回は、学園長のローズ(堀内敬子)が審判を務めることになっていた。太陽生たちは、約束の時間になっても現れないメイを不戦敗にするべきだと主張した。そのとき、扉が開いてメイが入ってきた。「私、戦います。ここにいたいから…」。メイは、そういって真っ直ぐに泉を見つめ…。
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