「ある夏の日、草むらで友達と遊びまわっていると…」
「気がつくと家の前にいた…」
「中から“団欒”の声が聞こえ、私は温もりを求めて重い木の扉を開けた…」
それは「第一の使徒」の高貴なイメージと違い、昔を懐かしむような、温かみのある言葉が散りばめられていた。神咲雫(亀梨和也)は父、神咲豊多香(古谷一行)には似つかわしくないイメージに戸惑う。「あの父が団欒?」
一方、遠峰一青(田辺誠一)は無言でその場を立ち去ってゆく。
「モノポール」で柴野原みやび(仲里依紗)とを前に、雫が遺言状を広げているところに、セーラ(佐々木希)も現れ、“使徒探し“の話題に加わる。雫は「第二の使徒」が庶民的なデイリーワイン(毎日飲むような安いワイン)ではないか?と推測する。
雫と一青の戦いの最中、みやびは働いていたフランス料理店をクビになってしまう。雫に相談できず1人落ち込むみやび。
そんな時、みやびは幼なじみの高杉新一(松田悟志)と偶然再会する。
高杉は、インターネット上で高級ブランドワインを破格の値段で売るオンラインショップ、「ハイライフネット」の経営者として大成功していた。太陽ビール・ワイン事業部はその影響で、業績不振に陥っていたのだった。
しかし、高杉が経営する「ハイライフネット」はブランドというだけで得体の知れない在庫や、劣化したおそれのあるワインを仕入れているという、悪い噂が業界で飛び交っている会社だった。何も知らないみやびは、雫に高杉を紹介する。
「味や品質なんて関係ありません。世の中は中身ではなくイメージ(ブランド)で価値が決まるのです」と言う高杉に反発する雫。
みやびによると、昔の高杉は優しく友達思いだったが、東京に来て仕事一途になって変わってしまったらしい。
家庭を顧みなかった父・豊多香と高杉の姿を重ねた雫は、彼の心に何か訴える庶民的なノンブランドのワインこそ、「第二の使徒」に繋がるかもしれないと思いつく。
「世界でも最高峰と称される五大シャトーが造りだす高級ワインよりも美味しい、3000円以下のノンブランドワインを見つける」
この条件を果たせば、営業不振で苦しんでいた太陽ビールにワイン事業をすべて委託するという約束を、雫が高杉と交わしてきた。
5大シャトーVSノンブランドワイン。
無謀な条件とは知りつつ、ワイン探しに立ち上がる太陽ビール・ワイン事業部。本間長介(田口浩正)が得意のイタリアワインを、雫がフランスワインを担当することに。
その頃、「二度と負けることは許されない」と焦る一青はロベール(竹中直人)の元を訪れ、自分に足りないものを問いかけていた。
「雫は、ずっとワインを飲まずに来た男」―。
ロベールの言葉から何かを悟った一青は、次の対決に向け大きな覚悟を決める。狂気なまでに自分を追い詰めてゆく、そんな一青の様子にマキ(内田有紀)は意味深に微笑むのだった。
そんなある日、みやびが高杉に自分の会社に来ないかと誘われた。本来ワインは雫のような生まれ育ちの良いサラブレッド、ブランド人間のものだと言う高杉。
「俺らノンブランドの人間には向いてないよ」
ソムリエになる夢を挫折しかけていたみやびは、迷った末、ある決断をすることに―。
果たしてワイン事業部は5大シャトーに勝るノンブランドワインを見つけることができるのか? 「この世はブランドが全て」という高杉の心に訴えかけるワインとは?
そして遺言状に記された「第ニの使徒」“団欒”が真に意味するものとは!?
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