ある日、草太郎から、20年の時を越えて、1通の手紙が郵送されて来た。中には、「20年後の娘たちへ、これが私の愛。私の秘密。どうか私を許して欲しい」という手紙とともに、鍵が同封されていた。
草太郎の書斎にあった秘密の書庫に鍵がぴったりはまった。扉を開ける戸、そこには、十数冊の本と“順に読め!”という草太郎のメモが。
1番最初の本は、“与謝野晶子のみだれ髪”だった。与謝野晶子がどんな人なのか、わからない藤尾に、節子は、その一生を愛に捧げた晶子の生涯を説明する。晶子は、“与謝野晶子”が自分と同じ名前であることに、なにかを感じ、重ね合わせ妄想の世界に入っていく。
“みだれ髪”の奥底に潜む官能的な断片に触れ、晶子の感性で、妄想し、堪能する・・・。
父親の残した“与謝野晶子のみだれ髪”から、自らの感性で、晶子は、何を感じたのか。
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