2009年01月06日

トライアングル #01

1984年1月。雑草の 生い茂る河川敷に、殺された10歳の少女・葛城佐智絵の無惨な遺体が横たわっていた。そばに呆然と立つ少年の手は真っ赤な血に染まっている・・・。15年後の1999年1月。犯人が捕まらないまま事件が時効を迎えた日、25歳の医師・郷田亮二(江口洋介)は務めていた大学病院を突然辞め、フランスへ旅立った。

2008年、フランス。亮二はリヨンにあるインターポール(国際刑事警察機構)本部に勤務する刑事に転身していた。研修でまもなく日本に戻ることになっていた亮二は、帰国を前にパリへ向かう。

亮二はパリでツアーガイドになりすまし、日本から来た一人旅の女性・サチ(広末涼子)に近づく。無邪気にパリ散策を楽しむサチを、時折観察するような目で見据える亮二。そして夕日が沈む頃、モンマルトルの丘でサチと別れた亮二は、別れ際に「いつか僕たちは再会する」と告げる。
しばらく経ったある日、東京の大田西警察署の刑事・黒木舜(稲垣吾郎)は研修にやって来た亮二を先輩刑事の丸山慶太(小日向文世)から紹介される。亮二は舜の父親が警察庁幹部の黒木信造(北大路欣也)だと知る。

そんな折、舜は匿名の男からの電話で「あの事件はまだ終わっていない」とある事件のナンバーを教えられる。その事件を調べようと署内の倉庫に入った舜は、密かに書類を持ち帰ろうとしていた亮二に出くわした。事件のファイルは亮二が書類を探っていた場所にあった。それは25年前の“葛城佐智絵殺害事件”。捜査を担当したのは、当時大田西署にいた信造だった。

舜は不審な電話のことを信造に報告するが、ただのいたずらだと一蹴される。釈然としない舜が刑事課で事件について話していると、亮二はすでに時効が成立していると切り捨て、「罪は消えてしまった」と笑みを浮かべる。
その反応に疑念を抱いた舜は亮二の身辺を調べ、意外なことを知る。亮二は佐智絵と同じ小学校の出身で、事件を担当した大田西署での研修を自ら希望していた。さらに亮二の妹・唯衣(相武紗季)を訪ねて話を聞き、亮二が以前から事件に執着していたことを突き止める。
その頃、亮二は出版社に勤める小学校の同級生・富岡康志(谷原章介)に会っていた。富岡は事件の新事実をつかんで原稿に書き、佐智絵の遺体の第一発見者だった同級生の堀米卓也(マギー)に預けたという。堀米を訪ねた亮二は原稿を読ませてくれと頼むが断られる。これから出版社に原稿を持ち込むという堀米は「本が出れば大騒ぎになる」と重大な事実が書かれていることを亮二にほのめかす。ところがその直後、堀米が何者かに襲われ、原稿が盗まれてしまう。

大田西署は堀米の事件の捜査に乗り出すが、亮二は事件の直前に堀米と会っていたことを隠して捜査に加わろうとしていた。疑惑を深めた舜は堀米に事情を聞き、亮二が堀米と小学校の同級生だったこと、奪われた富岡の原稿に異常な関心を示していたことを知る。

舜は亮二にこの事実を突きつけ、亮二こそが佐智絵殺しの犯人なのではないかと迫るが、亮二は「時効は成立している。罪は消えた」と言うばかり。刑事事件としては時効だが、民事なら立件はできると主張する舜は「俺が罪を償わせてみせる」と言い放ち、止める亮二を振り切って佐智絵の母・清子(風吹ジュン)に会う。ところが、清子の反応は意外なものだった。25年前に亡くなったはずの娘が「生きている」というのだ。

一方亮二は、小学校の同窓会に出席していた。再会を喜び合う富岡、秋本(佐々木蔵之介)ら同級生は、1人の女性の登場に言葉を失う。「私は葛城佐智絵。殺されてなんかない。私は生きている」と現れた女性はサチだった・・・。


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