そんな折、結城弘美(高橋由美子)という記者が「青空こどもクリニック」を取材しにやって来た。増える一方の患者、対応しきれないクリニック――その状況を目の当たりにした結城は懐疑の念を抱くが、宇宙の小児医療に対する熱い思いを聞いて感銘を受け、「青空こどもクリニック」に対する好意的な記事を書く。
その夜、「青空こどもクリニック」に来客が! それは病気が発覚した拓実(田中碧海)を置き去りにして行方不明になっていた母・和枝(山口香緒里)だった。宇宙に息子の様子を聞く和枝。宇宙はそんな彼女を啓翠会総合病院へ連れて行き、拓実と話をさせようとする。最初は柾(陣内孝則)にしがみつき、和枝と向き合おうとしない拓実。が、心の奥底でずっと母親を慕い続けていた拓実は、和枝が発した謝罪の言葉に再び心を開き、新たな母子の絆を築くのだった。
一方、「青空こどもクリニック」にはまたも異変が起きていた。来院した小児患者の親たちから「青空こどもクリニックは待たされる」という話が広まり、来院患者の足が途絶えてしまったのだ。ますます経営が苦しくなる「青空こどもクリニック」。遂には人件費の支払いすら厳しい状況に…! そこで、宇宙と狩矢は給料を受け取らないまま、自分たちで夜勤の大半を担うことに。さらに、スタッフへの翌月分給料を二分割して支払うという決断を下す。もちろんスタッフにも生活があることは重々承知の上。翌月以降にスタッフらが辞めていくことも覚悟した上での苦渋の決断だった。しかし、そこまでしてでも「青空こどもクリニック」の灯りを消すわけにはいかない!――宇宙の苦しい胸の内を理解したスタッフらは、少なくとも給料が支払われる間は働き続けることを決意する。
2カ月後――。赤池は啓翠会総合病院へ、大地(藤原一裕)は市立病院へと移籍。「青空こどもクリニック」に残った常勤医師は宇宙と狩矢、弥生(笛木優子)、綾(田実陽子)だけとなっていた。しかし、クリニックは赤池や大地はもちろん多くの人たちのサポートのもと、その灯りを消すことはなかった。賢斗(勝地涼)は医大受験を志しながらも「青空こどもクリニック」で働き続け、流衣(山口紗弥加)も柾の協力のもとクリニックでボランティア診療を続けていた。また、他の病院での採用が決まった弥生も、クリニックとの連携を模索しようと心に決めていた。
そんな中、子どもたちの命と未来を救うため、どんな苦労も厭わず今日も走り続ける宇宙。狩矢とも無事結婚し、公私ともに新たなスタートラインに立った彼女の眼は、さらなる強さと輝きを放っていた――。
小児救命 TOPへ
タグ:小児救命