そのころ、自分の目が見えなくなってしまったことを知った亜美は失意の中にいた。見かねた拓実(田中碧海)から連絡を受けた宇宙は啓翠会総合病院へ駆けつけ、亜美に会うことに。「たとえ目が見えなくても、手や鼻、耳…体全体で見ることができる。これからできることをいっぱい探していこう」――そう言って、亜美を励ます宇宙。その言葉に、亜美はようやく笑顔を取り戻す。また、術後に娘と同じく希望を失っていた父・広樹(デビット伊東)と篤子(横山めぐみ)も、前向きに娘を支えることを決意する。
その帰り道、宇宙は啓翠会総合病院の前で、かつて病気の拓実を見捨てた母・和枝(山口香織里)を見かける。声を掛けようとする宇宙。しかし、すでに和枝の姿は消えていた…。さらに、「青空こどもクリニック」へ戻った宇宙を新たな問題が待ち受けていた。無理のあるシフトに我慢の限界を感じた看護師たちから、クレームが飛び出したのだ。しかし、「青空こどもクリニック」は経営難。宇宙には為すすべもない。そんな中、クリニックの存続を願う賢斗(勝地涼)は狩矢を呼び出し、「看護師がひとり雇えるなら、僕を辞めさせて下さい」と願い出る。狩矢はその申し出を断るが、「狩矢先生がいるから、医者を目指すこともできなかった自分が、クリニックで役に立たない自分が余計に惨めなんだ」と賢斗。狩矢は賢斗の宇宙に対するほのかな想いと複雑な心境を感じ取り、言葉を失うのだった…。
一方、スタッフ数と運営資金のW問題に悩む宇宙は、意を決して冬悟(大杉漣)に借金の申し込みをする。冬悟は見通しの甘さを指摘しながらも、娘のために金を貸すことに。しかし、それもクリニックの危機を一時的に乗り越えるための策でしかない。そこで、狩矢もクリニックが軌道に乗るまで、宇宙と同様に給料を辞退することに…。
時を同じくして、啓翠会総合病院では医師不足にあえぐ小児科が閉鎖の第一候補に挙がっていた。そんな中、友達を助けようとして川で溺れて心肺停止となった柾の息子・陽太(荒木博斗)の搬送要請が! しかし、次々と押し寄せる急患で手が回らない状況にある柾は、泣く泣く息子の搬送要請も断らなければならなかった。結局、陽太は「青空こどもクリニック」に運ばれることに…。やがて宇宙らの必死の処置で陽太は息を吹き返したものの、 医者であるにもかかわらず息子に何もしてやれなかった自分を責める柾。が、柾は複雑な思いに駆られながらも、また次の患者を救うため立ち上がるのだった…。
後日、宇宙のもとへマスコミが押し寄せてきた。啓翠会総合病院のたらい回しについて、宇宙に意見を求める報道陣。が、宇宙は彼らを前に毅然と言い放つ。「医者個人の力ではどうすることもできない医療現場の実情も知って下さい。たらい回しという言葉を生む医療の悪循環を断ち切る方法を一緒に考えて下さい」と――。
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