そんな中、宇宙は知らず知らずのうちに恋人・狩矢(塚本高史)との間に生じた溝に心を痛めていた。一方、狩矢には宇宙との関係性以外にも、もうひとつ悩みがあった。宇宙から引き継いだ啓翠会総合病院の入院患者・拓実(田中碧海)が自分に心を開かず、接し方を見出せずにいたのだ。悩んだ末、狩矢は柾(陣内孝則)の了承を得て、拓実が慕い続けている宇宙に「今から拓実くんに会いに行ってくれないか」と頼む。が、「逃げちゃダメだよ」と宇宙。辛い頼みを冷静に断られてしまった狩矢はひとり頭を抱えるが、流衣(山口紗弥加)の言葉で奮い立ち、拓実の病室へと向かう。父親に捨てられて深く傷ついている拓実を、温かく励ます狩矢。やがて、彼の優しさに触れた拓実の心は氷解するのだった。
一方、「青空こどもクリニック」では深刻な問題が発生していた。なんと突然、数少ない医師のひとり・相馬(正名僕蔵)が病院を辞めたいと言い出したのだ! 理由を聞かれて「いちばん耐えられないのはあなたです」――そう、宇宙に向かって言い放つ相馬。実は、“子どもたちを救いたい”という一心で仕事に夢中になるあまり妻と喘息の息子を顧みなかった相馬は、かつて家族に捨てられていた。その寂しさや後悔を紛らわすため、相馬はただひたすら診療をこなし続けたのだという。が、昔の自分のように真摯に仕事や患者と向き合う宇宙を目の当たりにし、自分がどんどんみじめに感じるようになっていた…。結局、宇宙の説得もむなしく、相馬は「青空こどもクリニック」を去ることに…。
そんな折、不意の出来事に戸惑う宇宙のもとに、狩矢から電話がかかってきた。拓実がようやく心を開いてくれたことを嬉々として報告する狩矢。宇宙は相馬の一件からくる動揺を押し殺して、彼を祝福する。が、そのやりとりを聞いていた流衣は狩矢に対して不意に切り出す。「私は青山先生のことを医者として尊敬してる。でも、俊介との方が長い付き合いで、長い友人。だから教えてあげる」
その直後、狩矢は「青空こどもクリニック」を訪れた。突然の訪問に驚く宇宙に、狩矢は重い口を開いた。「なんで俺に話してくれないの? なんで隠すの?」その言葉に宇宙は言葉を失い…。
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