マスコミに追い回されるアリスに浴びせられる質問は太郎との関係。工事現場で働く太郎にも、レポーターが迫る始末。安田啓一(山下真司)、幸子(国仲涼子)親子の大衆食堂『だるま』の常連たちや、アリスの会社『ラブ・アリス』の社員たちも興味津々だ。
そんなある日、アリスが秘書の郡司康夫(風間杜夫)と一緒に、自宅であるホテルのスイートルームに戻ると、世話係の大野緑(三浦理恵子)が緊張の面持ちで出迎えた。なんと、アリスの継母、真紀子(若村麻由美)がいるではないか。NYで暮らす真紀子の突然の帰国に驚くアリス。
そんなアリスに、真紀子は太郎との関係をただす。しかし、反りの会わないアリスと真紀子の会話が成立するはずもない。
ちょうどその時、太郎が部屋に入って来た。マスコミや仲間たちの追及にへきえきした太郎が、アリスに助けを求めてきたのだ。太郎との関係を真紀子に悟られたくないアリスは、必死に誤魔化そうとする。しかし、太郎が日雇い派遣の仕事をしていると口走ると、真紀子は即座に別れるようアリスに命令。太郎とは住む世界が違うと言う真紀子にアリスは猛反発。さらにアリスは、太郎と暮らしてみろという真紀子の言葉に乗ってしまう。
アリスが佐藤家に転がり込んで来た。混乱する太郎の横で、アリスは佐藤家のあまりの貧乏生活にギャップを感じる。テレビも冷蔵庫もなく、夕食はパンの耳。それでも、アリスは帰ることも出来ずに眠りにつく。
翌朝、目覚めたアリス。太郎や子供たちは出払っていた。佐藤家に食べ物はなく、アリスは商店街に出向く。だが、アリスは現金の持ち合わせがない。カードで支払おうとするが、この商店街でカードが使える店はなかった。そんなアリスを、パパラッチの公文晃(宅間孝行)がしつこく付け狙う。腹を空かせたまま佐藤家に戻ったアリスが室内を物色していると封筒を見つける。
太郎や子供たちが帰ってくると、室内の有様にビックリ。なんと、部屋はアリス好みに統一され、大型テレビや豪華なソファーまでそろっているではないか。アリスは、買ったと言うのだが…。
太郎は、風呂に入りたいというアリスを連れて銭湯に行く。しかし、他人と一緒の入浴経験がないアリスには無理。仕方なく、太郎は幸子の家の風呂を借りてあげることに。『だるま』には、商店街の仲間たちが集まって、お祭りの資金繰り。寄付だけでは足りず、会計係の太郎は募金箱を設置したのだが、思わしくない。それでも、太郎たちはなんとか祭りを実行しようと意気込む。
次の日、太郎は寄付金の封筒を確認するが、無くなっていた。すると、アリスが部屋の備品を揃えるために借りたと言うではないか。怒る太郎に、アリスはすぐに返すといきり立つ。ところがアリスは、カードはおろか、携帯電話まで使用不能になっていた。真紀子の差し金だ。それでも、太郎や『だるま』の仲間たちに金は返すと言い張るアリスは、商店街の手伝いを始める。しかし、アルバイト経験などがあるはずないアリスは、セレブ感覚で仕事をしようとしてことごとく失敗。お祭り資金を返してもらうどころか、邪魔ばかりだと商店街の仲間たちもカンカン。太郎は必死に謝るのだが、アリスの態度はあくまでも横柄。
商店街の仲間たちとの溝を埋めるため、幸子はアリスを毎年お祭りが行われる神社に連れて行く。そこで、仲間たちにとって、お祭りがどれだけ大切なものなのかをアリスに教えた。
翌朝、商店街に異変が起こる。朝から若い女性やカップルが押し寄せてきたのだ。商店街の仲間たちは、各店に行列が出来る騒ぎに嬉しい悲鳴。実は、アリスがこの商店街で働いていることが雑誌やネットニュースで取り上げられたのだ。おかげで、お祭りへの寄付金も集まり、例年通りに開催される。
アリスは幸子に案内されて、商店街の祭りを楽しむ。一方、商店街の仲間たちも、アリスのおかげで祭りが出来たと喜んでいたのだが…。
街の片隅に、ある看板が立てられた。“アリスタウン建設予定地”として、商店街が再開発の標的にされている。開発には、美田園グループの名が。ようやく打ち解けようとしていたアリスと商店街の仲間たちに新たな壁が立ちはだかる。
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